僕と彼女の日常は、放課後、図書委員として図書室で過ごすことだった。
何も変わらない放課後。
彼女が唐突に発した。
「なあ、殺風景って言葉、面白くないか」
その言葉を皮切りに僕と僕の見える世界は脈打った。
あの日の放課後。
夕暮れの図書室から駅に着くまでのひととき。
そんな当たり前のようにあった僕と彼女の青春の一幕。
428