柘榴
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----臍の緒で首を絞めよ。君はきっと生まれ変われる。
命の循環を司る神として一部の地域に信仰が残るユーリ。
彼の育てる柘榴には豊穣の力があるという。
また、新しく生まれた赤子の臍の緒で首を絞めて死ねば、その赤子に強制的に魂を移せるとか。
ユーリは生命を祝福するが、「生きる意味」までは与えてくれない。
何故なら、彼にとって生命は「ただ増やすもの」であり、「ただ廻るもの」であるからだ。
そして全ての生命はユーリに祝福されており、生まれては死んでを繰り返すこの運命のサイクルからは絶対に逃れられない。
たとえ逃れようと命を絶ったとしても、また同じ運命を持った誰かが生まれるだけ。
生死を越えなければ、彼には勝てない。