3話 アゼロの固有能力
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以下の要素を含む一次創作ハイファンタジー作品。
・オリジナル世界観(オリジナル造語多数)
・人外種族(獣人、魚人、竜人、他オリジナル種族)有り
ヒューマと呼ばれる人型の種族、アゼロは目が覚めたら自分の名前以外の記憶を失っていた。
様々な種族が住むこの世界でアゼロはヒトと触れ合い、自分の記憶と欠けたココロを探していく。
☆3話のあらすじ☆
とある一室で目が覚めたヒューマ族と呼ばれる人型種族の子供、アゼロは自分の名前以外の記憶を失っていた。
アゼロを助けたちぐはぐ姉妹の小さな姉・ムクロは大きな妹フランは街に現れた怪物と対峙する。
しかし、歯が立たず、手足を掴まれてしまい投げ飛ばされる。
アゼロはムクロに駆け寄るが、記憶のない自分の無力さを嘆く。
しかし、ムクロは「謝ることはない」と笑う。
二人が手を握りあったその時、アゼロの欠けたココロが光り出す。
「それが君の能力だ」そう言ったのはムクロと湖畔で出会ったユイだった。
突然現れてアゼロの能力を説明するとユイはその場で消えてしまった。
ムクロに声を掛けられ、我に返ったアゼロはムクロに自分に身を任せてくれるよう頼む。
口説き文句のような言い方に若干戸惑ったものの、快くアゼロに協力する。
能力で大きく見た目が変わったアゼロはフランと怪物の間に割って入り、武器を構える。
それはムクロと同じ骨を象った武器だった。
果敢に戦うその姿にちぐはぐ姉妹の大きな妹・フランは驚き、取り込まれたムクロ自身は大喜び。
街の住人、ミーちゃんを救い出したところでアゼロは再び怪物のココロの声と思われるものを聞く。
今回はその声がムクロにも聞こえていたようで、二人は怪物を元に戻せる手段があるのではないかと考える。
フランにも協力を仰いだところで「おねえちゃん!」と少女の叫びが響く。
声の主はカーラ。怪物化したカーリンの双子の妹だ。彼女を心配して、街に住まう青年、サーブルも駆けつける。
姉を持つ者同士として、フランがカーラを宥め、アゼロが「あなたのお姉さんは助ける」と宣言したところで、怪物の唸り声が響き渡るのだった。
そこへ薬師のヤクゼンと女医のヒトミンが駆けつけてくれた。
ヤクゼンはアゼロの姿を見てやや戸惑うも、怪物が襲ってきた際には自身が得意とする風の魔法「旋風(ツムジカゼ)」で怪物を転倒させる。そのままトドメを刺そうとしたところをフランが止める。
カーラと同じ妹の立場であるフランは、アゼロの話を聞いているうちにカーラが怪物になってしまった姉を元に戻せるのではないかと考えるようになったのだ。フランの話を聞き、手を止めるヤクゼン。
怪物のココロの声を聞き取れるアゼロが皆に「妹に迷惑をかけてしまうことに対し謝り続ける姉の言葉」を伝えると遂にカーラが動き出す。自分の思い、そして大好きの気持ちを伝えると怪物はカーラの姉、カーリンの姿を取り戻した。
アゼロの怪我もあったものの、ひとまず今回の怪物騒動は収まったので、アゼロはムクロ、フラン、そしてアゼロたちを心配して探しに来てくれた宿屋の主人フロッセと料理人コッホと共に皆で宿屋へ帰るのだった。