公開投稿
2025.08.20 07:07
【雑記】森鴎外の「山椒大夫」を読んだ話
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森鴎外の「高瀬舟」を読み素直で綺麗な文に惚れましたので、
「山椒大夫」も読みました。
読書感想文です。
その前に…
「高瀬舟」を読み終わったときの感想も書いておきます。
第一に、うわ~…という感想が出てきました。
”絶妙に後味が良くない”ところが、とても気に入りました。
後味が”最悪に良くない”作品も好きなのですが、
こんなの、酷すぎる!とならない程度なのがよかったです。
森鴎外、バランスが凄いです。
さて、「山椒大夫」の感想に移りましょう。
「高瀬舟」を読んだ、1年何か月か後に久しぶりに何か文豪の作品を読みたくなりました。
読み終わり、やはり、「山椒大夫」も酷い話でした。
物語のはじめの辺りでもう既に、
あ、これ…あかんやつ…
あ~~~~、やっぱりか~…
中盤も、
あ~かわいそうにね~…
そしていよいよ佳境のところで、
明らかに森鴎外の文章力のレベルが1段上がり
「ここからは本気を出させてもらう」と言わんばかりの文章の美しさが繰り出されます。
もちろん、かわいそうです。
最後の最後は… みんなも読んでください。
amazonのkindleとか青空文庫とかで無料で読めますので…ね?
山椒大夫の話を友人と一緒に読書感想会をしたところ、
どうやら原作の話のモデルとなったのは
日本の吟遊詩人のような人たち…
おそらく、琵琶法師とか、 瞽女(ごぜ) のような人たちが
歌って聴かせた話を”マイルド”にしたものらしいです。
つまり、元の話はもっとひっどい話だったらしいです。
森鴎外がマイルドにしてくれて助かりました。やはり、丁度よ~く酷い話なのが好き。
恋愛小説の話には大して興味がないのですが、
同じ森鴎外の作品である「雁」が悲恋の話と聞きましたので、興味がちょっと出てきてしまいました。