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キルシュが任務先で向かった地点にはすでに大量の触手が根を張っていた。
低級淫魔と高をくくっていたキルシュだったが足を踏み入れるとあっという間に取り囲まれてしまう。
本来、意思すら持たずうごめくだけの魔物たちがまるで群れのように押し寄せるのは─彼女のおいしそうな魔力の匂いのする「おへそ」。ただ一点の穴だった。この触手達は彼女の胎内に大量の「餌」があることを知っているのだ!!