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少女は好きだった。この美しい図書館が少女は好きだった。大木が美しく紅に染まる秋が少女は失った。若くしてその命を病で図書館は朽ちた。戦争で忘れ去られた大木は染まった。変わらず美しく紅に少女は訪れる。秋が来る度黄泉より幾千光年先の図書館に