福実/🔞 今日も福島は出陣だ。僕は早々に練度上限を迎えたらしく、出陣より内番が多い。馬も畑も好き。手合わせも毎回知見を得られていいと思う。兄弟と再会して、同派にも会えた。旧知との記憶はどうにもぼんやりとしているけれど、温かく迎えてくれた。他の子達とも仲良くなれたし充実した日々を送っている、のだけれど。福島がいないとなんだか落ち着かない。留守だとわかっているのに探してしまう。会いたい。抱きしめたい。触れたい。寂しい。
部屋からは福島がアレンジした花の香りしかしない。寝転がってみても同じだ。今欲しいのはこれじゃない。……早く帰ってこないかな。早く。
(触れて、ほしい)
吐き出した息が熱い。そういえばしばらく触れ合っていない。香りも熱も思い出せるのに、福島だけいない。思い出したらもっと欲しくなってきた。ぼんやりとした思考の中、内番着の下を脱ぐ。目を閉じて福島がしてくれた事を思い出す。最初は上下に擦り上げて、先走りが溢れてきたら先っぽを強めに擦り上げて。甘やかし上手なあの手が触れているのかと思うと、自分の手なのに止まらなくなる。気持ちいい。足りない。無意識に何度も名前を呼ぶ。
「福島、福……っ、ふ、」
「……なあに? ほら、いってみせて」
「え、なんで、ぁああっ……!?」
聞こえるはずのない声と共に、誰かの手が僕の手に重なり扱かれる。待ち望んでいた温もりに呆気なく白濁を吐き出した。福島が帰ってくるのはもう少し先だった気がする。いや、合ってる? どっちだったかな。思考がまとまらない。
「そんなに寂しかったの、休ちゃん」
「えっと……寂しかった、ね」
「寂しいとひとりえっちしたくなるのか〜、ふふ」
「うん……?」
「一人でおちんちん触ってたでしょ」
返事の代わりに体ごと振り返って擦り寄ると、福島は優しく抱きしめてくれる。よく見たら戦装束ではないし、お風呂に入ったのかいい香りもする。花と福島の香り。甘くてくらくらする。そうだ、まだ足りない。もっとほしい。
「福島」
「うん?」
「もっと触って」
■
福島の膝に乗せられて、触れて解すのもそこそこに下から貫かれて。熱くて苦しいのに気持ちいい。満たされる。甘い香りが濃くなっていく。力の入らない体を揺さぶられて声が抑えられない。さすがに恥ずかしいから自分のはあまり聞きたくはない。塞ぐか噛んでおけばいいだろうか。迷って指を噛むと少しして福島が腰を止める。
「ぁ……っ、なに……?」
「噛んだら痛いだろ。ちゅうする?」
「ん、ちゅうする」
柔らかくて甘い唇が重なる。福島はちゅうが好きだと思う。隙あらばしてくるし、あと長いし。たぶん僕もだけれど。何度も重ねて食んで、いつの間にか入ってきた舌を絡め合う。ふわふわで甘い。霊力に味なんてあるのだろうか。目を伏せ夢中になって味わう僕に気をよくしたのか、不意に下から突き上げられる。この体勢は抱きしめやすいけれど、奥までおちんちんが入るから駄目になりそうで困る。それでもたまにねだられて、可愛いから断れずにいる。……そもそも本当に駄目かと聞かれたら秘密と答えるしかないが。
「んん、ん、く、んむっ」
激しいのは少しだけ苦手かもしれない。福島でいっぱいになって真っ白になるから、だと思う。いっぱいになるのはいいけれど、キャパオーバーにはまだ慣れないし慣れるものでもないらしい。浅いところから奥まで容赦なく突かれて、舌は絡めて吸われて。名前を呼んだつもりが呼べていない。福島、福、もう意地悪しないで。ちょっとだけ待ってほしいのに。
されるがまま貪られて、同じような瞬間に白濁を迸らせる。軽く揺すられながら最後まで吐き出した福島はようやく唇を離して、濡れた唇を舐めてきた。
「は……福、いじわるだ……」
「かわいいからつい。ごめんね?」
「……福島」
「うん?」
「おかわり、ほしいなあ」
いいよ。そう返す声はやっぱり甘くて、寂しさはとっくに溶けていた。