まとめて配送
クロスフォリオ便(匿名配送)
水底の虎
¥1,100
「死にたがりの男が、何をどうやっても死ねない」
〈あらすじ〉
社会的に何もかも成功させてきた、晴彦。この努力ができたのは、「父親のようになる」という目標があればこそだった。
父の二十七回忌を機に、晴彦は「今この状況から消え去りたい」という自分の願望に改めて気がつく。
彼は思いきって死ぬことを選ぶ亜、気がつけば、彼は無傷で生きたままでいた。
確かに「死んだ瞬間」を経験したのに、死のうとした痕跡すら残っていない。何度試しても「死ねない」という事実に、晴彦は絶望する。
晴彦の消失願望を、絶対に叶えようとしないもの。
それは、淀んだ水の底で、不気味に笑う『虎』。
『虎』は、社会的体裁を守り抜こうとする晴彦を、永遠にこの世に束縛する気でいた。
【中島敦『山月記』リスペクト作品】
【Special thanks! 表紙絵:みや】