2話 アンデッドの姉妹
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以下の要素を含む一次創作ハイファンタジー作品。
・オリジナル世界観(オリジナル造語多数)
・人外種族(獣人、魚人、竜人、他オリジナル種族)有り
ヒューマと呼ばれる人型の種族、アゼロは目が覚めたら自分の名前以外の記憶を失っていた。
様々な種族が住むこの世界でアゼロはヒトと触れ合い、自分の記憶と欠けたココロを探していく。
☆2話のあらすじ☆
とある一室で目が覚めたヒューマ族と呼ばれる人型種族の子供、アゼロは自分の名前以外の記憶を失っていた。
アゼロを助けてくれたのは小さな姉、ムクロと大きな妹、フランというちぐはぐな姉妹。
二人が世話になっている宿屋『ハイルング』の主人にアゼロも住まわせてもらえることになった。
ムクロはそのことを薬屋のヤクゼンに話したあと、アゼロを連れて『トレーネ湖畔』へと向かう。
彼女が言うには「アゼロが倒れていたところへ行けば何か思い出せるのではないか」とのこと。
湖畔にたどり着いたアゼロが思い出したのはフードを被った誰かに助けられ、『クリスタルトーチ』と呼ばれるものを渡されたことだけだった。
湖畔でアゼロはムクロに自分を助けた訳を聞くと、ムクロはアゼロと自分が似ていると思ったから助けたこと、自身もアゼロと同じように記憶を失っていること、そして以前は記憶を求めて妹と旅をしていたが今は街に留まっていることを話してくれた。その時、突然大きな物音が街の方から響く。
「例の怪物が現れた」アゼロとムクロの前に突然現れ、告げるユイ。
「今まで見たものと全然違う怪物が現れた」とムクロのクリスタルトーチから聞こえるフランの声。
アゼロとムクロは大急ぎで街に戻るのをユイは横目で見ると、その場から一瞬で姿を消してしまうのだった。
一足先に街に戻ってきたムクロ。そこには狼男のような風貌のヒト・ジェイの姿もあった。
二人の前には怪物と逃げ惑う街のヒト達。「この街には戦えるヒトが限られている」ので怪物に立ち向かう姉妹とジェイ。
そこに遅れてアゼロも到着するも怪物を見た途端奇妙な感覚がするものの怪物も様子がおかしい。
突然叫び出す怪物に動揺するムクロ。隙を突かれて大きく吹き飛ばされてしまう。
アゼロも駆けつけるがそこには小さなスケルトンの姿があった。しかし、この姿こそムクロの本来の姿。
フランもまた本来のゾンビ姿を見せる。ムクロはアゼロに動く屍アンデットについて話し始める。
それでもアゼロは「どんな姿でも…ムクロちゃんはムクロちゃんだよ」と笑いかける。
そんなアゼロも見てムクロもまた屈託なく笑うのだった。二人は改めて怪物に向かい始める。