公開投稿
2025.01.21 00:45
[キスはしないで(ゾサ]
「あ、悪ィ…」
おれより遅く帰宅したコックの風呂上がりに目が覚めた。
いつの間にかソファで寝ていたらしく、いつものことだしと起こされないまま数時間が経っていた。
2人で横になっても窮屈しないぐらいの広さに1人で腕を伸ばして、読みかけの本は床に落ちている。
髪を拭きながらおれの隣に座って500mlのペットボトルをラッパ飲みしている細腰に抱きつく。危ないだろと頭上から降ってくる声が心地よくてまた目を閉じると、ベコっと軽いペットボトルで起こされた。
「寝るならベッド行け」
「お前は?」
「髪乾かしたらな」
大きくあくびを一つして、額を薄い腰へと押しつける。風呂上がりとは思えない冷めた手がおれの後頭部を乱暴に撫でたかと思うと、水を飲んだのだろう腹筋が動いた。
「でっけぇ猫みてぇ」
おれの頭にあった手が今度はコックの髪をタオル越しに激しく揺らす。洗濯が終わるまでまだ余裕があるのだろう。残り二口分程のペットボトルを差し出され、体を起こして飲み干した。キャップを閉めて部屋の隅のゴミ箱へ投げ入れると、分別しろと怒られるので空になったものをコックへ返す。濡れて色づく唇に近づくと、両手で拒まれた。
「…さっさとベッド行け」
立ち上がりキッチンに消えていくコックを追わず、おれは言われたままベッドへと向かう。5分もすれば寒いと言い始めるのが目に見えているから、先にあいつの場所に体を置く。もっと詰めろだとか、おれが入れないだろとか文句を言いながら決まった位置があるらしい。はふっと息をついたのを確認してから抱きしめてやるのがお決まりだ。
あそこでおっぱじめられるのが嫌で拒否したのだろう。髪を乾かし、サロンを畳んで、明日の朝食の段取りをつけるまでの流れが遅くなる。あいつの睡眠時間を奪いすぎないように、最近はちゃんと考えて動けるようになった。
だからベッドに入ってきたコックにまで拒まれるのは理解ができない。
「おい、こっち向け」
いつもなら文句を言いながらおれの胸に頬を寄せるくせに、何故か背中を向けられた。
「今日は疲れてんだ」
「キスぐらいさせろ」
「…嫌だ」
「…っつ……」
怯えるように肩を震わせる姿に、一度口を離して濡れた目の端を拭ってやる。
「火傷、したから…しばらくキスはっ…んぅ……」
オイル系のパスタの味見したら舌火傷しました。
っは!サンジくんももしかしたら火傷するんじゃない?
そしたら痛いからってキス拒むかもじゃない??
という連想ゲーム
拒んで翌日店に行ったらおれのせいですみませんっていうモブを出してめんどくさくするか悩んだけどもう眠い、寝ます