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家主の思う素敵なモノに囲まれて。
小さな影が二つ、本当に楽しそうに笑っている。
その声は小さく、耳を澄ましても微かにしか聞こえないけれども。
読んでいる本の中の主人公の物語を語ったり。
先日口にして、とても美味しいと思った曹達のお店の話をしたり。
少し疲れたら、二人で黙って窓から空を眺めて。
眠くなったら硝子のシャーレに戻って眠りにつく。
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アナログ(透明水彩)/2024