新曲「安心していたいだけ / 雪歌ユフ」イラスト: 夜明ほしこ

経緯

いつもは、先に曲を作り、次に歌い手を決めて、最後にイラストをお願いする――という順番で制作していますが、今回は少し違った進め方をしました。

まず初めに、夜明ほしこさんに声をかけ、雪歌ユフさんに歌ってもらうことを決めてから、曲作りに取りかかりました。

はっきりとしたテーマを設けなかったため、気がつけば少し重たい内容になってしまい、頭を抱える場面もありましたが、最終的にはユフさんの歌声がすべてを解決してくれました。

夜明ほしこさんからは素晴らしいイラストをいただき、曲も動画も、いつも以上に細部まで詰めて仕上げました。やり過ぎて逆効果になっていないことを、ただただ祈るばかりです。

曲

構成自体は、いつも通りのパターンです。ただ今回は、まずベースを5:3のシャッフルに設定し、それに歌とピアノを合わせました。5:3にした理由は、UTAUでの編集がしやすいためです（分かる方には伝わるかと思います）。

リズム素材は5:3のシャッフルに同期していないものでしたが、「自分が変じゃないと思えるならOK」と開き直って、そのまま合わせました。

あとはまあ、アレンジが物足りなくて、終盤でクラップを入れたり、シンセベースにレゾナンスフィルターのオートメーションを書いたりしました。いつも通り、大したことはしていません。

歌

最近のさまざまな情勢からインスピレーションを受け、この曲の感情を形にしました。表題の通りの想いは、自分自身も抱えているものであり、私が気にかけている人たちにも共通するところがあるのではないか――そんなことを考えながら、歌詞を書きました。

動画の説明文で何らかの意思表示をすべきか、長いあいだ悩みましたが、ユフさんの中の人のご意向がもはや確認できないことから、最終的には「書かない」という選択をしました。

この記事でもそれを明らかにするつもりはありません。ユフさんがこの歌で何を訴えているのかは、皆さんのご想像にお任せします。

イラスト

夜明ほしこさんのイラストには、複数の色を完全に混ぜきらずに振りかけたような塗りが特徴的で、そこがとても好きです。

まるで複雑な虹彩を通したようなフィルターがかかっていて、キャラクターに独特の艶と印象が生まれていますよね。

美術に関しては門外漢なので、これ以上語るのは野暮かもしれませんが、音楽もイラストも「十人十色」だなと、つくづく感じます。