目高 翔
ホラー好き、ホラーシナリオに行く。
幽霊が出てくる瞬間に限って致命的失敗(ファンブル)起こすので、めちゃくちゃ面白いです。
―――――――
冬の雷雨に就職活動。
人々は七転八倒している最中、翔は早くに仕事が決まる。
「おまえ、本当にそつがないね」
そうなってみたいよと恨みがましく口を尖らせた友人に対して、読んでいた怪談を閉じて翔は言った。
「ひとの動きにはけっこう規則性がある。」
「それを読み取って、それなりに合わせることさえできれば、それなりに生きられるんじゃないかな。」
友人は驚き、おおげさに眉をしかめた。
「翔。もしかして今、おれはお前に馬鹿にされてるのか?」
翔は驚き、大げさに眉をしかめた。
「いや。俺は社会生活におまえほど一生懸命じゃない、とは言ったけど。」
友人は「嫌味なやつめ!」と吐き捨てる。