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2026 1/11
夜間に差し掛かるとなんというか、声をかけづらい層で街が賑わう。
目的地まではすぐ近くまで来ている筈なんだ、しかし目印もなくこれ以上は自力ではどうしようもない。
──唯一、無害そうな女子を認識する。
彼女ならば道を訊ねても大丈夫なんじゃないだろうかと歩み寄り、迷わず声をかけた。
…想定通り、物腰柔らかく目的地への順路を教えてくれた。
彼女の目を、身振り手振りを見ながら話を聞いていた。
そんな中、ひとつ瞬きをした間に、彼女の身に影が落ちる…こんなに暗かっただろうか?
そして視界の隅に黒い気配が映り込み、息が詰まるような威圧感をおぼえた。
恐る恐る顔を上げると、冷ややかな赤い眼光が、静かにこちらを見下ろしていた。
──その男の眼を見てはならない。