その殆どは微生物によって溶解され、中身なく骨組みだけが浮き彫りになっている。
絡まる植物は、図鑑に載っている種類が現存しているのか、はたまた魔族が擬態をしているのか。
1. 美術館
額縁は破壊され、作品の油が溶けだして新たな作品になっている。ガラスのショーケースさえ不可思議に穴が空き、まるで透明な何かの繭のよう。
ここには、元の性質から警告色に近い色味をした魔族が多く潜んでいる。時には彫像の中に、時には作品自体がタマゴの可能性も。あの有名な絵画さえ簡単に真似されて、うっかり見とれていると大けがどころか帰らぬまま一部にされてしまうだろう。
2. 動物園
檻が無くなり解放された動物たちが、進化と魔族としての繁殖を遂げ、悍ましい異形の発生源と成ってしまっている。地上の中でも特に危険度が高く、また転々と存在していることから殲滅は不可能だろうと考えられている。定期的に能力者が偵察に向かうが、大型魔族が発現している場合、骸になって回収されることもしばしば。。
3.水族館
氷に固まりヘドロに紛れ、濁り固まった何かが植物状に、また骨のようにアーチを作り出迎える。魚のような魔族だけがいるのかと思いきや、それらを食料としている魔族もたむろしており、無法地帯そのもの。かなり臭いがきつく、嗅覚が衰えたものでなければ近づくことも難しい。水槽から何まで微生物で形成されているため無機物がなく、全てが生きている。
ただし、夜は海底のように薄ぼんやりとしており、唯一綺麗な世界だと思えるかもしれない。
4. ■■■■タワー
■■■mもある塔。もう晴れない空に浮かぶ雲を突っ切って未だ存在しているため、ひと際目立っている。主に鳥類に似た魔族が巣として利用するが、その際に啄まれて他の施設同様穴ぼこが目立ち、遠くから見るとらせん状になっているようにも見える。
待ち合わせ場所にはうってつけで、稀に行商人のような能力者がフリーマーケットじみた支援を行う。
5. 遊園地
錆びまみれのティーカップ、席の抜け落ちた観覧車、車輪の消えたジェットコースター。底に穢れた水が溜まり、それらを触れた生き物がまた溶かされ同化していく。数百年前には見られたキャラクターの笑顔も、今では表情が抜き取られ、名前だって誰も覚えてはいない。
早々に抜き取られてしまった看板には人間が使用していた文字が書かれていただろうに、無くなってしまったから、地上に”文字”という文明も今や残って亡いのだろう。
6. ■■■
■■■■が■を■した■■。中には■■人■の■■が■されており、どう■■かいつまでも■■■■■ままだ。ここには■■■の■■もいない。正真正銘、”■が■■■■しまって■■”空■。■■だけが、■んで■に行く。いったい■を■っているんだろう。彼だって帰ってこないのに。