公開投稿
2024.02.28 20:11
リュパン突然の記憶喪失ネタ(短期間仕様)
今回の妄想も、仲間か誰かを身を挺してかばって大怪我するパンドロという前提から始まります。性癖なんで。
傷はすぐに治療されて命に別状はないけれど、頭部への衝撃で一時的に記憶が飛んでしまい、目を覚まして心配そうに自分を覗き込む仲間たちを見て「誰だ…? あんたは…オレは…」って反応をしちゃうんです。更に自室のベッドから見える小さな祭壇には「こんなところに祭壇…? 指輪を祀ってる…?」とか不思議そうに思うわけです。なんで記憶喪失って交友関係の情報は飛ぶのに一般知識は残るんでしょうね。
あまり大人数で接しても負担をかけるだけだから、と療養中ごく親しい人だけでお世話することになり、遠慮しようとするリュール様はパネトネが許可してくれて面会に連れてきてもらえるんですが、自分に対してどころか妹にまでよそよそしいと言うか緊張した様子のパンドロを目の当たりにしたらそりゃショックですよね。明るく気さくでコミュ強といえば!みたいなひとなのに。
しかも、リュール様もただ信仰している神というだけではない存在になったことも忘れて、
「か、神様!? 本物ですか!? なんでこんなところにっ!」
な反応を改めてされちゃって、当人の前では心を強く持って微笑み冷静に接するも、部屋を後にしてからさすがに凹むリュール様。
そこから「ですが最も辛く大変なのはパンド口自身です、私は彼を支えてあげなければ…たとえ忘れられてしまっているとしても、パートナーなのだから…!」と立ち上がってくれるんですよね。さすが俺達の神竜様だ!
もちろん不安なのはパンドロも一緒で、「みんな心配してくれてるし、早く記憶を取り戻したいのに…うう、何も思い出せない…」と頭を抱えていると、膝の上に何やらやわらかい気配が。
ゆるい顔つきのせいで何を考えているかわからないけど、まるで寄り添うようなソラに、
「なんだこいつ、イヌか? あったかいなぁ、お前…」と普段ならとてもできない親密さ(ソラ様呼び+敬語であろうという風潮)で抱っこするパンドロが見たい! そして勝手に部屋に入っていったソラを追いかけてきたリュール様とふたりきり(+1匹)になってほしい!
特別な信仰心と感情はわからなくなっても、相手が神様ともなれば恐縮してしまうパンド口と、そんな彼にリュール様がかける言葉を考えてしまっている間に、ふと視界の端に入ってきた手製の祭壇と、美しく飾られた蒼い指輪。「思い出せないけど、これ…とても大切だった、気がする…」と感じ、見つめるパンドロに、リュール様も意を決して唇を開くわけです。
「気になりますか? それは私が贈ったものなんですよ」
ひと目見た時からそれが特別な関係の証であることは感じ取っていたパンドロは、その言葉の意味に気づいてさぁっと頬を赤くする。嫌な感じはしない、ただ戸惑わないでいるというのも無理があり、忙しない手つきでソラをふゃんふゃんする。
「ど、どうして…神様がオレなんかに…!?」
「あなたの優しさ、明るさ、強さに私は救われたんです。パンドロ」
落ち着きのないパンドロの手にリュール様の手が重ねられたとたん、ぴたりと止まる。安心したように、愛しさが伝搬したように。微笑むリュール様に、こわばってばかりだったパンドロの頬も、釣られてすこし和らぐ。
「…神竜、様…」
「私はこの、戦いが終わったら…公にあなたに、伴侶に来て欲しいと」
「お、お待ちください」
たとえ記憶が戻らなくても、あなたが同じ想いでいてくれるなら――たったひとりの特別なひとにもっと安心してほしくて、勢いで手を握り告げたリュール様に、しかしパンドロは焦ったように言葉を遮った。
「その言葉はどうか、オレが記憶を取り戻して…あなたのパンドロが戻ってきたら、言ってあげてください」
そう、もう迷いのない眼差しで。
「…わかりました」とリュール様は素直に身を引きつつも、内心で(私と同じようなことを…やっぱり私は、そんなあなたが…)と記憶をなくしても変わらないパンドロの性根に惚れ直すのでしたとさ。
最終的にパンドロはアニマルセラピーとかまた頭打ったとか改めて芽生えたリュール様への慕情とかで無事に記憶を取り戻すのですが、記憶が飛んでいた間のことも覚えていて、「あれってつまり…プロポーズだよな…!? リュ、リュール様…っ!!」なんて思い出し赤面&リュール様はリュール様でいつまた同じことを言おうかとタイミングを伺い、しばらくソワソワし合うふたりが見たい! 早く結婚してほしい!