公開投稿
2025.02.10 17:22
好きなラノベの話
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(この記事はオトスバ好き人間の思想を地盤にして綴られています)
狂乱家族日記が大好きです。
幼き頃、母親が録っていたアニメをたまたま見てどハマりした私のラノベ小説の出会い。
それが狂乱家族日記でした。
今思えば、アレには私の今の性癖を形作る元素が詰め込まれていたのかもしれません。
天上天下唯我独尊、ワガママ放題女王様の凶華と、超常現象対策局に所属している敬語メガネ天然朴念仁苦労系振り回され系男性、乱崎凰火。
2人はいずれ世界を滅ぼさんとする子を鎮めるため、国から突如夫婦になることを命じられます。
そして世界を滅ぼす可能性のある者として集められた子どもたち。
彼・彼女らは血の繋がりが一切無いにも関わらず家族となり、ひとつ屋根の下で仲良く暮らすことになります。
これだけだとほのぼの日常系っぽいのですが、人工生命を作る科学者やら精神生命体やら超常現象によるなんやら宇宙人やら、これまた次々と世界を巻き込んだドタバタ騒ぎが置き、その都度彼・彼女らは絆を深めていくハートフル世界巻き込み系家族コメディになってます。
これがまた、シリアスとギャグの塩梅がすんごい面白くてですね、辛い話は辛く、めちゃくちゃ重い。いじめもあるし人も死ぬ。
でもバカバカしいときは本当にバカバカしい。どれだけ暗くなっても華々しく解決する。そんな緩急がとにかく良いです。本当にサウナで整うのを永遠に繰り返してる感覚。それぐらいの温度差がある作品です。
そしてなんと言っても凰火と凶華の関係性が良い訳です。
実はこの家族たち、全員が漏れなく複雑な環境で育っている全員ワケありな者たちです。その為、各々の尖った個性は全て理由があります。
凶華の無茶苦茶な性格もそのひとつ。普段は横暴で身勝手で自分勝手な凶華ですが、その横暴な性格の裏は神として崇められてきた環境と自己の確立が不安定なことが原因だったりします。
最初はうんざりしていた凰火ですが、次第に凶華の本質を理解していき、最初は肩書きのみの夫婦関係だった2人は徐々に本物の夫婦としての絆を固めていきます。
私がとりわけ好きなのは、短編集9巻で凶華が不安定になった時の凰火の心情。
“凶華は僕に背中を預けたまま、潤んだ目でこちらを見あげてきました。ちいさな彼女の顔は僕の目線よりもかなり下のほう。彼女は僕の肩を握りしめ、吐息しました。
そうです。いつもは生意気で高飛車な厄介者ですが、凶華は自分の脆い存在が脅かされたとき__驚くほど弱々しい表情を見せるのです。当然でしょう。錯乱し、泣き叫ばないだけ彼女は強い。ですが無敵ではありません。不安になることもあります。凶華は目に涙をうかべ、力なく指先だけで僕に縋りつきます。
「怖いよ……凰火……」
僕は思わず凶華を抱きしめました。華奢な、子供みたいな体躯。潰れてしまいそうな、ちいさくてか弱い生き物。僕が守らなくては。彼女は僕の妻なのだから。”(本編引用)
なんか…………既視感あるな……………
そう、久々に読み返すと萌え成分のデジャヴがすんごい。私がお嫁さんだの妻だの夫婦だの庇護欲だの、振り回される系と振り回すわちゃわちゃ系の関係性が好きだの言うてるのはもしかしたらこの作品から遺伝子レベルで刻み込まれているのかもしれません。
今見てもこの2人良いな…と思うし、このブログもここを読んで萌えを再発した熱で書き綴ってます。本当にこの2人、良い。
そんなこんなで、オトスバ好きな人が読んだらこの2人の関係性に…ときめくかも!!?そうじゃなくてもリゼロ好きな人は結構好きになる傾向ある物語なんじゃないかなって思います。何百年、何千年とかけた愛の物語も交わったこの作品。本当におすすめです。
1巻からぶっ飛ばし、2巻もハチャメチャしつつも少し泣けつつ。3巻で夫婦仲が不安定になりながらも加速度的に面白くなっていく狂乱家族日記。
アニメ化もされているのですが、あちらはかなりギャグに振り切った作りになっています。シリアス激重部分は圧倒的に原作の原液が濃いです…が、今はもう引退された藤村歩さんが凶華の声をされてらっしゃいます。こちらも視聴…オススメです…でも全然配信されてないんだよな。悲しい…
今でもリゼロに並ぶ私の魂のバイブル、良ければ是非読んでみてください。
狂乱家族日記(ファミ通文庫)
本編 全15巻
短編集 全9巻
↓1巻の電子書籍リンク(冒頭試し読みができます!)
https://bookwalker.jp/dee1d45eae-c47d-43d5-84e0-241f783f99fd/