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僕と水戸坂は、今日だけ親友じゃない(2)

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一彦とは、大学に入ってからずっと一緒にいる。

垢抜けない服に分厚いメガネ、くるくるの天パ。



なのにある日突然、髪型を変えた。

天パがサラサラになって、メガネはコンタクトに、服装も雰囲気も変わった。



そんな一彦からの好意を、

遠距離中の彼氏がいることを理由に、私はずっと気づかないふりをしている。


例え、浮気されていても。連絡を全部無視されていても。



「水戸坂は不満を抱えてるわけだし」


「恋人ならその不安を解消する義務があるはずです」


「水戸坂が遠慮するのはおかしい」



だからそんなこと、弱ってる時に言わないで一彦─…。


いつもの飲み会からの帰り道。

酔った私を甲斐甲斐しく世話をする彼に魔が刺して言ってしまった。



「私のこと 好きなの?」


いつもみたいに、変な敬語で生意気な返事してよ。



「……そんなこと…聞かないでください……」


そう言って彼は、切ない顔をして私の手をひいてベッドに押し倒す。

これは、彼と"親友"ではなくなった一晩の話。



※本作は大箕すず、THE猥談の個人誌作品の電子書籍版となります。【23ページ】

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