公開投稿
2025.04.20 13:09
Fragrance
ほのかに漂うマルコの香りにいつも思考を奪われる。何年経っても、数えきれないくらい身体を重ねても、決しておれの身体をぞんざいに扱うことはなく、とことん甘やかして蕩けさせるのがヤツの抱き方だ。薄暗い部屋の中、焦点の合わない視界の片隅にデスクに置かれた香水の瓶を捉えながら絶頂に達した。
余韻に浸るおれに覆い被さって満足そうに微笑むマルコにキスされると、またふわりとあの香りに包まれる。果てしなく広がる海と自由な空に永遠に瞬く情熱の炎を携えた雄の香り。
「お前っていつからつけるようになった……? あの香水」
するとマルコはひょいと片眉をあげて、覚えてねェのか、とこちらを責めるような視線を寄越した。
「付き合い始めたばっかの頃、一緒に出かけた街で見つけたお前が気に入って買ったんだろい。だけど結局、化粧だの髪結だので香りのついてるモン使ってるからやっぱお前にやる、っておれに寄越したんだろうが」
言われてそうか、と思い出した。しかし、そんなに前からずっと同じものを使い続けているなんて、改めてマルコのおれへの愛情を感じてしまって照れる。照れ隠しにヤツの首筋に顔を埋めてスンスンと匂いを嗅ぐが香水の香りはしなかった。手を取って手首に鼻を押し付けても香らない。
「え、どこにつけてるんだ?」
おれの問いかけにマルコはニヤリと笑った。
「お前に挿れてる時、一番動かすとこだ」
「は?」
途端にぐるりと視界が反転して、ぐずぐずにぬかるんだままの後孔を熱い怒張に貫かれる。
ーー腰だよい。
耳元で囁かれると同時に快感の渦に飲み込まれ、ラストノートが漂った。
Fragrance
モデル:
https://shop.primaniacs.com/?pid=167189120&srsltid=AfmBOorzaOGsjilhxnGbbX1adSGZimf45KQmBX8w0yLv97Pqn9EK8Niy