公開投稿
2025.06.30 22:14
まだ半人前でプライベートな時間も場所も確保できないマルイゾの話
「悪ィ、遅くなったよい」
前もって約束していたリネン室に飛び込むと、先に来ていたイゾウが膨れっ面でこちらを振り返る。
「遅い、五分も無駄にしたぞ」
腰帯を緩めながら大股に近づき、腰を抱き寄せて噛み付くように唇を奪う。イゾウの腕が首に回されるとマルコは着物の合わせ目に手を差し込んで太腿を弄り、性急に褌をずらす。小ぶりな尻に手を這わせて後孔にひたりと中指の腹を当ててみるとそこは既に柔らかく綻んでいた。
はやる気持ちを抑えながらポケットから軟膏を取り出してズボンの前を寛げるとイゾウがそこに自分の下肢を押しつけてくる。互いの陰茎が既に痛いほど硬く勃ち上がっているのを感じて二人はますます息を荒げた。
「はあっ……マルコ、早く……!」
「わかってるよい」
マルコはイゾウの着物の裾を捲り上げると、後ろを向かせてその痩身を壁に押し付けた。軟膏を塗りたくった後孔に己の剛直を当てがい、ぐちゅりと媚肉を掻き分けて切先を埋め込む。
「くっ……!」
そのまま持っていかれそうになるのを歯を食いしばって耐えると、少しずつ根元まで挿入してピッタリと身体を重ね合わせる。イゾウの耳元でふぅっと吐息を漏らすと、きゅんとナカが締まった。争いきれない興奮を覚え、前に手を回すと、しっかりと勃ち上がっているイゾウの欲を握って扱きながらマルコは腰を振り始めた。黒髪を掻き分け、露わになった白い頸に顔を埋めて、熱い胎内を何度も貫く。
「イゾウ……イゾ、ウ……っ」
囁くように名を呼びながら突き上げると、イゾウは自身の着物の袖を咥えて声をもらすまいと必死に耐える。その顎を掬って深く口づけ、ぐいぐいと腰を押しつけて最奥でマルコが絶頂に達すると、イゾウは帯に引っ掛けていた手拭いで自身の先端を包み、その中に白濁を吐き出した。はあはあと余韻に息を弾ませながらマルコはイゾウの身体を後ろから抱きしめる。
「マルコ、ほら抜いて……」
促され、しぶしぶ陰茎をナカからズルンと引き抜いた。イゾウに渡された手拭いを尻のあわいに当てがって、蜜壺からトロトロと溢れ落ちてくる精液を受け止め、最後に萎んだ自身を拭き取る。
「……おれ、次洗濯当番だから、これ一緒に洗っておくよい」
「ん、頼んだ」
手早く乱れた着物と髪を直して、それじゃ、と出て行こうとするイゾウの手を掴んで引き止めると、少し驚いた大きな瞳が真っ直ぐマルコに向けられた。
「イゾウ、おれお前のこと大好きだよい」
「ああ、おれもお前が好きだけど。突然どうした?」
「いや、最近さ、皆の目盗んで船のどっかで忙しなくヤることだけヤって、の繰り返しだから何か……言っておきたくなって」
「……うん」
「本当はもっとお前のこと抱きしめて、イチャイチャしてェよい」
「ふはっ。うん、おれも」
嬉しそうにくしゃっと笑ったイゾウの後頭部に手を回して引き寄せ、丁寧にキスを贈りながら指先で頬を撫でた。残念ながらそこでロスタイムも終了し、どこからか姉貴分のベイが自分を探す声が響いてくる。
束の間二人きりだった空間の戸を開けて、次の島では絶対に宿を取ってゆっくり過ごそうとマルコは固く心に誓った。