愛し方が分からない
弾む心
誕生日くらいアジトで休ませろと要求しておいて良かったと心底思う。なんとかその日にアジトに着くとサツキが出迎えてくれた。喜びが顔に出てる。それが何とも愛おしい。堪らず部屋へ連れ込み今まで溜めに溜めた愛を押し付ける。サツキは受け入れる上に欲してるようにも見える。お前も待っていたのか。邪魔が入ったが夜もまたやって欲しいと照れ全開の赤ら顔で言われれば断るはずもない。
サツキのお陰で書類関係の仕事は全て片付いており確認のみとなっていた。出来た部下だ。暇ができたのでたまには共に調理するのも良いだろう。夕飯の支度をしているサツキの元へ向かえば驚かれたがすぐに嬉しそうに口に弧を描いた。それだけで嬉しいのか。
約束通りサツキは夜自室に訪れる。短くなってしまった髪を手入れしてやる。長さは短くなっても質は変わらない。俺が最初にやった油を継続して使っているようだった。
帰ってきてからサツキはずっと笑顔を絶やさない。それほど嬉しいのだろう。それだけで幸福感が満たされていくのに邪な気持ちが邪魔をする。そんな俺でも良いと言ってくれるお前がこんなにも愛おしいなんて。
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