愛し方が分からない

己が可能性

己が時岡一族と知れてからよそよそしかったが、普段通り接してやればそれはなくなった。本人なりに気まずかったのだろう。

リーダーに宣告されていたサツキと同行任務は3日に及ぶものだった。案の定、下忍だったサツキは野宿の経験も知識もある訳がなく、一つ一つ教えるしかなかった。基礎知識を叩き込めば、後は実際にやって慣れてもらうしかない。

俺の相方候補がいるというので、任務の下見も兼ねてイタチと小南と組んで行く。話題は専らサツキだ。イタチと小南もサツキを可愛がっているのは知っている。だからこそ、その話題が俺に降りかかるのが鬱陶しい。

誰があの暗く沈んだ顔を、控えめに笑う程度に回復させたと思っているのか。サツキは俺に懐いていると自負する程に思っていた。

思っていたが、アジトへ帰ると見たことのないほど喜びを出しているサツキがいた。あのように笑えるのか。その笑顔を、俺ではない者に向けるのか。軽く苛立ったが、すぐにサツキはその顔を俺にも向けた。そんな風にも笑えるのかと、苛立ちはすぐに消え、気付けばサツキの頭を撫でていた。二人の時だけにしていたことが、自然としてしまっていた。

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