サツキから俺に向けていた好意は普通の好意でないことを知った。一つ一つゆっくりと並べられる告白はむず痒いものがしたが、嫌なものではなかった。だがサツキをこのまま暁の中で、俺の傍に置き続ける気はなかった。指名手配もされていない、まだ人里に戻れる。俺のような極悪人と共にあるべきではない。だがサツキが隣にいるだけで心が軽くなることもある。毎回寝る時も擦り寄ってくるが、最初は面倒に思えたものが今は日課のようなものになった。
サツキと離れたくはないが、離さなければならない。なのにお前は優しく微笑んでくれ、隣にいてくれる。それだけで俺はどれだけ救われたか。