暗殺少女は魔力人形の夢を見るか

暗殺少女は魔力人形の夢を見るか

その街には、こんな都市伝説ががあった。

『深夜に一人部屋にいると、窓をすり抜けて亡霊が忍び込んでくる。
 その刃から逃れることはできず、狙われたが最後、命はもはや長らえない』

その都市伝説がある意味真実であると、彼女とその主だけが知っている。

物心つかない頃に暗殺ギルドに拾われた少女、イグレット。
彼女は暗殺の道具として育てられ、使われてきた。
あまりに暗殺向きな異能を持つがために重宝され、それゆえ過酷な訓練を押し付けられ。
感情の起伏のない、選りすぐりの暗殺道具として育ち、『ゴースト』と呼ばれるようになった彼女。

その日も、いつものように仕事をこなすだけ、だった。

しかし、受けた仕事はいつもと違うワケありもの。
標的は、公爵家の長男。
絶大な権力を持つ公爵家の、『勇者』に等しい武力を持つ男。

圧倒的な力を持つ相手を標的とする依頼を受けた彼女には、予期せぬ出会いと、予期せぬ出来事が待ち受けていた。

マナ・ドール。
古代魔法文明時代に作られていた人型兵器。
人のように作られ、人のように話し、考える、少女の形を模した道具。
その出会いは、彼女を『日常』から連れ出すことになる。

その先々で起こる様々な事件と出会い。
それらを通して、二人の絆は深まっていく。

これは、道具として育てられた少女が、道具として作られた少女に出会い、人として歩み始める物語。

※本編完結済み
 1章と2章を纏めたものをKindleにて販売中。表紙・挿絵は武川慎先生。
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