ごく普通の家庭に産まれながら、成長と共に魔を象徴する赤と長い耳を兼ね備えた男――リガルナは、不遇の人生を強要された。
本来の彼は心優しい性格をしているが、ある誤解から真実は虚構にすり替えられ、身に覚えのない恨みを買い、いつしか冷たく心を閉ざし全てに復讐を誓うようになる。
その中で、自身と同じような境遇に生きた全盲の少女――アレアと出会う。
二人は互いに人間不信でありながら、共に過ごす内にいつしか無くてはならない関係になっていく。しかし、不運にもアレアはリガルナの故郷の国の兵士に遭遇し命を落とした。
ようやく心からの安寧を得ることが出来たリガルナに再び降り注ぐ絶望。彼は更なる復讐に心を燃え上がらせ、国を襲うべく十二年振りの故郷に降り立つ。しかし、多くの兵の命を奪いながら猛進するも、隙をつかれて捕縛され牢に入れられてしまう。
そこで知る、リガルナに隠されていた本人も知らない真実。そして死してなお彼を想うアレアの純真なメッセージ。
これは、復讐とその中で育まれた純粋な愛を描いた物語。
男は二度、復讐に立ち上がる。
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王道のダークファンタジー小説。
一昔前のような小説の運びなので、読み手を選ぶ作風だとは思います。
この作品が出来たのは約30年前、3度目の完結は8年前です。
2018レジェンドノベルスシリアスゲームノベル大賞にて、優秀作品に選んで頂きました。
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