公開投稿

2024.01.18 17:50

あたたかい日々をどうしても描きたかった理由。

自分語りですが、面白くは無いと思います。暗めの話をを見たくないという方はブラウザバックでお戻りください。




このイラストは、自分の理想とはかけ離れた画力しか無いけれど、どうしても描きたかった。


東日本大震災が起こった後とても心が荒んでいました。

1日寝ても2日寝てもテレビから流れてくる画像やインタビューなどを見聞きし、何もする気が起きず、ただ生きているだけでした。

そんな中ずっと一冊の漫画雑誌を買い続けていたため、流れで買いました。


とても暖かい色と雰囲気の表紙にすぅーっと心が軽くなりました。いつもの作品の冷たい雰囲気が全くなく、ただ暖かい気持ちが広がりました。その表紙を見て気が付きました。その漫画家さんは技術があるから、絵から感じる印象が変えられるのだと。


いつもの雰囲気は作品のイメージを伝えるためにそう描いているのだと理解もできました。


自分の絵を見る目も、技術もまったくもって足りていないことに気が付きこれがプロなんだと思いました。目から鱗がぼろぼろ雨の様に落ち続けた気分です。


私はストレスで色々なところに支障をきたしていたころだったため、平衡感覚がおかしくなりここに線を引きたいと思っていても引く事ができない感じで、その頃はもう絵を描く事を諦めていました。


その表紙をみて心が温まり、もう一回頑張ろうと一つ一つこなしていきました。絵の事も自分でいつか心が温まる絵を描きたいとゼロから頑張ろうとゆっくりゆっくり始めました。ストレスからの病にも向き合い、先生のいう事をきちんと受け止め、とにかく先生に言われたことを実行し、薬の相談もまめにして病も良くなり、できることも少しづつ増えていきました。


機材をそろえ、慣れるためにゆっくり描き続け。どうしてこんなに下手なんだろう。下手な絵を下手だと認識できない自分にも悲しくなりました。

そうこうしているうちに7年が過ぎました。技術も経験もまだまだですが、1枚、1枚少しづつ描いています。


VOCALOIDをはじめて知ったとき、この先の未来に何が起こるんだろうと技術の革新にワクワクしました。VOCALOIDはどんどん人間らしくなるのではないか? VOCALOIDがどう生きていくのだろうか? と、思いを馳せながら、今日も1枚描きました。


技術も画力も足りていない。わかっていますが、ただ何もないゆっくりとしている時間を描き表したかったです。特別の無い日々が一番かもしれないという時間が伝わったらいいなと思いながら描きました。伝わらないかもしれませんが、こういう思いで描いたという事を伝えたかっただけです。


あの表紙の雑誌はもう一冊買い、透明ビニール袋に入れて大事に保管しています。今回自分で描くにあたり色々調べると一つ一つに意味を込めていた事に気が付き、ただ素敵なイラストだなと見るのではなく、込められた思いを考えながら見てみるのもいいのかもしれないと思います。


自分の考えを塗り替えてくれる作品にいつか出会えるといいですね。