独演
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「嗚呼、喉が渇く、喉が渇く」
男が1人、立っている。
「こんなところで一人ぽっち。死の女神が私を呼んでいるのか。早く…早く死の口付けで、私の命を終わらせてはくれないだろうか!」
男は空中に口付けをし、くずおれる。
「これは、私の選択の結果。これは、私の行動の結果。とうに後悔は捨てたのに、この気持ちは何なのだ」
男は、手を、伸ばす。
「嗚呼、満足に生きたかったのか」
男は、動かなくなる。
幕が、下りた。
──『空を掴む』