公開投稿

2024.10.01 12:00

【終了】片隅にこの香りを 2024/9/25~9/29

平素より大変お世話になっております、独楽子です。

展示告知しようと思ったのに……無事三日坊主(三会期坊主?)になっちゃってます マジですみません 仕事の繁忙と重なってしまい……。

このブログを書いている時点で会期は終了していますが、他の記事と同様に、作品の紹介とか、お値段とか、使った画材とかを備忘録的に記録したいと思います。

よろしければお目通しいただけますと幸いです。




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会期 2024年9月25日(水)~9月29日(日)

   12時~20時(初日のみ16時~)

場所 イロリムラ/プチホール

   〒530-0016 大阪市北区中崎1丁目4番15号


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展示する作品について


主催の方からお誘いいただいた際のテーマに「支えるものとしての花瓶」とあり、かつ「比喩的に詩的な表現も歓迎」とのことでしたので、

これは"試されて"いるな……となり(※試されていません)かなり捻った感じの2作品になりました。


花瓶とは仮宿のようです。花が萎れて枯れるまで……色素とともに内包する水気を蒸発させ、もう一度世界に溶けていくまでの仮住まいのようです。

それは多分空へと飛んでいく鳥を見送る鳥かごに似ている。


「うつわ」

サイズ:A3

額装:大衣サイズ(オーバルマット)

価格:非売

使用画材:鉛筆、アクリルガッシュ、透明水彩、アルシュ水彩紙細目


鳥かごとも似てるし、あらゆる肉体って仮住まいだよね。

「花瓶」を超拡大解釈して、「草原で揺れる他者である花」と「花瓶の中で私のために咲く花」の対比、後者こそが命の本質である……という絵を描きました。

飾られる花は、一見そのものが主人公のように見えますが、命の本質は内包物ではなくそれを包む壁……つまり花瓶(容れ物、肉体)のほうにあると思います。

大きな月と波、表裏のないメビウスリングの天使の輪、我々はいつか壁の無い無限に広がり続ける場所へと還っていく。知らない場所へ飛びたつ鳥のように。


あと、サブテーマとして青いバラをテーマにしています。青いバラって正直全然青くないんですよ、偽物でも美しい青を手に入れるには吸上げ着色しかないらしいです。

>”人はパンがなければ生きていけない。しかし、パンだけで生きるべきでもない。私たちはパンだけでなく、バラも求めよう。生きることはバラで飾られなければならない。” 『暇と退屈の倫理学』國分功一郎

でも、この世にはバラばかり差し出され、パンを奪われている人が多すぎる。



「子どもの夢」

サイズ:A5

額装:インチサイズ

価格:22,000円

使用画材:鉛筆、アクリルガッシュ、透明水彩、アルシュ水彩紙細目


いつか自分が人格を/人生を/労働を/経済を/家族を/関係を/パンを/バラを/入れるための花瓶であることがわかる瞬間がある。子どもの夢とは、

他者が存在するだけでなく、その他者が自分と同じように生きていることを実感する瞬間であり、

それは同時に、自分自身もまた様々なものを入れるための花瓶であるとわかってしまう夢である。


「いつかは壊れるあなたへ」「壊れても隣に」

サイズ:ハガキ

額装:なし フレームレス

価格:7,500円/5,000円

使用画材:鉛筆、コピックマルチライナー、アクリルガッシュ、透明水彩、アルシュ水彩紙荒目


テーマが直接的すぎてあんまり言うこと無いな いい絵ですね

右の人が持ってる花瓶には金色を使っていて、金継ぎっぽくなっています。壊れたとしてもずっとそばにいる方法がたくさんこの世にはあるね。




以上です。会期終了しておりますが、ありがとうございました。

そういえば花を束ねて花瓶に生ける行為と、絵の具を重ねて絵を飾る行為は似ていますね。

いつか貴方が帰りたい場所に帰れますように。