真泉のポートフォリオ

絵の良し悪しはペンを握って絵を描き始める前、準備をどれだけ入念におこなうかによって8割決まる。

そう言っても過言ではないと思います。

例えば依頼絵や企画絵を描く時など、

『時間がかかってもいいからとにかく良い絵を描きたい！いや描かなければならないんだ！！』

という場面があります。

そういうとき、クオリティを上げるための努力を絵を描き始めてから始めるのでは、遅いです。

本当は絵を描き慣れていない人こそ、事前の準備をしっかりと徹底的に、しつこいぐらいにおこなうべきなのですが、

『私の絵のクオリティが低いのは準備やこだわりが足りないからではないです！私はベストを尽くしてます！下手なのは絵描き歴が短いせいです！』

などと考えそうした努力をほとんど放棄してしまっている方が多いように思います。

そういう私自身も、ただ趣味でイラストを描いていた頃は資料集めには1〜2時間とそこそこ時間をかけていたものの、事前準備といえばそれぐらいでした。

今回は、どのような事前準備をおこなえば良いか？

またその際の心構えや効果についても解説します。

①資料集め

資料集めは大事！というのは、YouTube動画などでもよく言われることなのでご存知の方も多いでしょう。

しかしこの資料集めの段階でもきちんとやる人と適当にやる人とでは大きな差になる、としっかり認識してる人は少ないのではないでしょうか？

例えばこれから鬼滅の刃の主人公、竈門炭治郎の二次創作イラストを描くとします。

その際、

Aさん:竈門炭治郎の二次創作イラスト10枚程を集めた。

Bさん:竈門炭治郎の画像をアニメ、原作漫画、コスプレ写真など幅広く100枚程集めた。

Cさん:竈門炭治郎と検索して出てくるイラスト、写真の全てに加えて、似ている容姿のキャラ、刀や着物など身につけている物なども検索して大量の資料を集めた。

さらに、ライティングの参考、瞳の参考、髪の参考、肌の参考、手の参考、表情の参考、構図の参考、エフェクトの参考、背景の参考とするイラストも集めた。

この3人の実力が完全に同じだとしたら、誰が一番上手くイラストを描けそうでしょうか？

それはもちろんCさんですよね。

Cさんは、資料を集めすぎて頭が混乱してしまった……だとかそんなことにならず、きちんと資料を有効活用出来ればきっと良いイラストを描くことが出来るでしょう。

もっと言うと、資料集めは様々な画像を『自分がこれから使うかどうか』考えながら見ていくことになるので、目を肥やす為のインプットにもなります。

資料集め自体の練習にもなっていますし、きちんとカテゴリ分けして画像を保管すればその後のイラスト制作においても活用することが出来ます。

資料を集めて『今の自分の中にないもの』を取り入れつつ、100%以上の力で描くことは成長のために絶対に必要なことです。

資料集めをサボってしまったAさんBさんは、今の自分が持っている知識と技術だけで、いつも通りにただイラストを描くだけになるので、あまり上手く描けないですし、たいして成長も出来ません。

時間が経てば経つほど、真面目で一生懸命なCさんとの力の差は残酷な程に開いていきます。

②模写・トレス

集めた参考画像の中で特に参考にしたいものなどを、模写トレスします。

そうすることにより、

『一度も描いたことがない』

『あまり描いたことがない』

この状態から、

『何度も描いたことがある』

という状態にすることが出来ます。

模写トレスは画力を上げるために有効な基礎練習ですが、せっかくやるなら次に描くイラストに関するものを模写トレスしたら一石二鳥ですよね。

いや、本番絵制作前のウォーミングアップにもなるので一石三鳥です。

参考画像の細部まで観察することになるのでただ画像を見ただけでは気付かなかった点にも気付けますし、目だけでなく体で『体感する』というのは対象を正確に認識するために役立ちます。

それとイラストは線画のみの段階と着彩後では大きく印象が異なるので、模写トレスにより線画だけの状態にしたイラストを手に入れそれを観察出来る、というのも良い点です。

さらにベストを尽くしたいなら、塗り模写までやってしまうのも良いと思います。

言うまでもないですが、この模写トレスはあくまで準備・練習としておこなうということであり

本番絵の制作において他者のイラストをトレパクしたりはNGです。

今はトレパクしてないイラストでもトレパク扱いされたりする時代ですので、気をつけましょう。

練習で描いた模写トレス絵をSNSに投稿するのもNGです。

③心身の状態を整える

なんだそれは……と思われるかもしれませんが、これがかなり大事です。

創作活動は心身の状態がクオリティにかなり影響してきます。

疲れ切っていてモチベが低い状態で描いた絵と、元気でモチベが高い状態で描いた絵では雲泥の差になります。

私は専業フリーランスでずっと家で作業なので気をつけないと運動不足になりがちなのですが、その対策として毎日深夜にランニングをしていますし

（日中に体力を消耗したくないため）

ストレスを溜めないように、インプットを兼ねていますが毎日漫画を読んだりアニメや映画を鑑賞する時間を作っています。

睡眠時間も以前は削ったりしていましたが、睡眠不足でぼんやりとした頭で作業するのが一番非効率と気づいたので、今は眠いと感じたらすぐに、好きなだけ寝るようにしています。

④まとめ

・初心者も上級者も準備が大事

・準備してから描かないと下手なイラストになり成長もしない

・ちゃんとご飯食べて寝てください

ここまで読んでくださりありがとうございました。