あらすじ


2017年9月、赤羽台団地の階段で一人遊ぶハッサクは、紺のワンピースを着た見知らぬ女性に声をかけられる。女性は以前この団地に住んでいたと言い、ハッサクとグリコのじゃんけんゲームをして遊ぶ。ハッサクが勝ち、女性は彼にエリマキコアラのキーホルダーをプレゼントする。「君に返しに来たんだ」と意味深な言葉を残し、女性は去っていく。ハッサクは、迎えに来た母親と妹の蜜柑にキーホルダーを隠し持つ。


2025年5月、中学2年生になった甘夏は、亡き母の写真に挨拶をして家を出る。隣の隣に住むハッサクを誘い、二人は登校する。ハッサクのカバンには、小学生の頃にもらって以来、理由もなく肌身離さず持っているエリマキコアラのキーホルダーがついている。通学中、甘夏はハッサクとの関係に疑問を感じ始める。


ある日、クラスメイトから新しくオープンしたテーマパーク「ノスタルジックワールド19XX」に誘われるが、甘夏はハッサクと先に行く約束がある。ハッサクに誘われたものの、彼自身もなぜ誘ったのか、誰かにそうするように言われたのか、曖昧な態度を取る。


放課後、甘夏とハッサクはノスタワールドへ行く。日本の昭和(198X)ゾーンで、メタバース空間のアトラクションを体験する。80年代のアイドルや流行を体験する中で、ハッサクは特に楽しんでいる様子を見せる。展示コーナーでウォークマンを見ていると、ベテランの女性スタッフに話しかけられる。その女性は、80年代のファッションに身を包み、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」を二人に聴かせる。その瞬間、甘夏の意識は遠のいていく。


気づくと甘夏は1984年6月、見慣れない和室で寝ていた。彼女を起こしたのは、この世にいないはずの母親だった。状況が理解できないまま学校へ行くと、風景も校名も違う。しかし、そこにハッサクも同じように1984年にタイムトラベルしていた。ハッサクの家には妹の蜜柑は存在せず、流産して生まれてこれなかったと聞かされる。二人は、自分たちがパラレルワールドに迷い込んだのではないかと考える。


1984年の生活に戸惑いながらも、甘夏とハッサクは周囲に溶け込もうとする。連絡手段は家の電話と交換日記。甘夏は、この世界に母親がいること、そしてハッサクと過ごす中で、元の世界に戻りたいのかどうか迷い始める。ハッサクは、妹・蜜柑のことを気にかけ、元の世界に戻ることを強く望んでいる。


11月、ハッサクは甘夏を多摩動物公園に誘う。コアラを見に行った帰り、売店でエリマキコアラのキーホルダーを見つける。ハッサクはそれを二つ買い、一つは元の世界で蜜柑にあげたかったのだと告白する。甘夏は、ハッサクが元の世界に帰ろうとしていることを悟る。


クリスマスイブの日、ハッサクは甘夏を秋葉原に誘い、ウォークマンとシンディ・ローパーのカセットテープを買う。そして、元の世界に戻る決意を伝える。団地の階段で、二人はグリコのじゃんけんゲームをする。ハッサクが勝ち、二人は一緒に2025年の世界に戻ることを決める。真夜中、公園でウォークマンで「タイム・アフター・タイム」を聴こうとするがうまくいかない。甘夏は、ハッサクだけを元の世界に戻すため、ある行動に出る。


2026年4月、ハッサクは無事に2025年の世界に戻っていた。妹の蜜柑も存在し、団地も新しくなっている。しかし、甘夏は存在しない。他の記憶の中にも。手がかりを求めてノスタワールドを訪れる。そして再びウォークマンで「タイム・アフター・タイム」を聴く。


*作中に、シンディ・ローパー氏の楽曲について触れていますが、歌詞の内容は英語の歌詞を直訳したものではなく、登場している案内スタッフの言葉としてアレンジしています。


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~タイムアフタータイム~  ウォークマンとシンディ、時間旅行へのいざない

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