公開投稿
2025.02.11 19:20
天智と天武 書き殴り感想
※ご注意
・ネタばれしかありません。未読の方への配慮しません。
全巻読み終わってからこちらの投稿を読むことを強くおすすめします。
・高尚な読書感想文ではありません。生まれたてのエモをそのままお届けします。
最初に天智と天武に対するユノイチカ先生のポストを見たとき、日本書紀?古事記?BL展開とはいえ題材が高度すぎ?と思ったけど全然そんなことはなかった。
むしろあの時代だからこそ(本当にそうだったのか知らんけど)インモラル入り乱れ展開が禁忌とならず、それはそれとして話の勢いを保ったまま一気に駆け抜けられたのではと思う。
てか妃たちの肝の座り様すごくない?旦那の妃は自分以外にもいるし家臣に貸し与えられたりするし挙句の果てに俺は兄弟または叔父上を愛してるみたいに言われて私だったらメンブレ確定。
いやいやそんなことはいいんだ、私のお気持ちとか本当にどうでもいい。
二人がお互いに持っている「お前は俺のもの、俺はお前のもの」というジャイアンいや違うジャイアンを超越した魂まで奪いたい系の執着がすごい。
一体どこからあのクソデカ感情が生まれたんだろう?
中大兄が幼少期に愛に恵まれず、それを満たしたのが入鹿だったとしても、あそこまでなるものなのか。大海人の憎しみがいつの間にか自分の生きる意味になってしまっているのはわかるような気がしたけど
いやでもちょっと待って。入鹿は中大兄に惹かれて自分を差し出したのだと大海人が言ってたな、だとしたらもうDNAか?惹かれ合うDNA。
待て待てほんとに?なんで大海人はそこまで父ちゃんの気持ちわかるの?父ちゃんにちゃんと確認した?エビデンスは?
いやいや…何かこう心理学的なアレソレで説明をつけようとしていることが陳腐な行為なのかもしれない。我々のような一般民には計り得ぬ、稀代の雄二人だけの、決して交わることのないセックスよりも濃い何かに違いない。
ほんと何だったんだろう。私は一体何を見せられていたのか…。
体の交流がギリギリ無い分余計に狂おしいのかもしれない。
川本真琴も言ってますね、「届かない これって最高の1cm」(古い)
まあ体の交流があったらあったで致した後にどっちかがどっちかをコロコロしそうではある。あるいは絶頂の瞬間に首ちょんぱとか。
とりとめないのでそれぞの登場人物に思うことなど
■中大兄皇子
最初から最後まで狂ったように燃え盛る炎みたいな人だった。
ずっと「こいつとんでもねえな」と思ってたし、どっかでめちゃくちゃ痛い目見てほしいとすら思っていた。
でも兄上は窮地に陥っても執念みたいなもので跳ね除けるし、運を奪い取りに行くような人でギラギラしていて読んでて恐怖すら感じた。それでいて時折見せる弱さや優しさが、たまに善行する極ヤンキーみたいな感じで余計にクローズアップして見えてずるかった。
張り詰めまくった弦のような、月光に光る刃のような美しさに特定の人たちは惹かれていくのかもしれないな~。
9巻 第73話で大海人に吐露した感情ってどこまでが本当だったんだろう。「一緒に行かぬか」は無意識に漏れた本音だったんだろうけど。兄上の最期の笑顔、素敵でしたね…
■大海人皇子
隠れ里で里長から「甘ちゃんだから大海人だ!」って名前付けられたの、割と終盤までそうだった感。
色々と詰めが甘い!甘すぎる!最悪の事態を想定してなさすぎ!ムキー!!て何度もなった。隠れ里を安易に危機に晒すな!!!だけど万人受けする甘いマスクと人道的な行いにより周囲の助けを受け結果オーライにしてしまう強引さ。
100%善人じゃないんだけど、入鹿譲りの道徳観だったり人の良さだったりがあって、中大兄と比べると癖が少なく残る印象も多くはない。ただしこういう人のほうがしつこくて面倒くさくて自分大好きで気持ち重い傾向、あると思います。深く関わった人だけ嫌と言うほど身に沁みるやつ。
おさげのときはかっこよさの中に甘さを残し、坊主でかっこよさを増し、壮年期では髭を蓄え渋さが増し、どこを切ってもイケメンだった。
■大友皇子
子犬のように健気で可愛くてもう見てられない!
親父と叔父上みたいな濃ゆ濃ゆ親族のなかで育ったらそら自信もなくなりますわ。姉ちゃんはもう完全に中大兄のコピー、姉ちゃんにすら勝てる気しない。そして父親譲りの男の趣味。大海人、罪な男だよ本当に。
壬申の乱って歴史の授業でうっすら聞いたことあったけどこれか~!
ここで覚醒する大友皇子、お父さん生き写しに!!あの健気で儚げな子が!なんかもうその覚悟すらも痛々しい。琵琶湖から全裸でザバって立ち上がるの、ちょっと聖闘士星矢のリザドのミスティ思い出したな~(古い)、性格も状況も全然違うけど。
近江大津宮でのお慕いしている叔父上との対面では健気な大友皇子に戻ってて涙…生きててほしかったなああ無理なんだけど!せめて最期は叔父上の胸の中で死ねて良かったね…てか最期なんだから抱いてやれよ大海人!
■豊璋
百済の王の息子だったのに中大兄の配下として粉骨砕身する生涯で良かったんだろうか。
まあ本人がこの人を大君にするために生きる!て決めたんならいいけど中大兄よりも良い王になれたのではと…頭キレキレだし。中大兄に惚れ込んでたみたいだからしょうがないか、忠臣として生きたい人だったんだろう。
自分と息子の人生を理性できっちり切り分けてて、本当に愚直な仕事人間というイメージ。来世ではあんなにストレスで体壊すまで尽くさないようにしてほしいところです。11巻174ページで高校生くらいの年齢と思われるのに既に兄上にがっつり肩組まれてたから心配ですよ私は。
■額田王
BL作品における良い女ポジ。肝が完全に座ってて大変良かった。
あの歌って額田王だったのか~~!ってまたもや感動。中学生のときに読んでたらもうちょっと歴史の授業に身が入ったのかも。
■鵲
「おいらが悪いんです」ってそんなことないよ~~!!大海人が詰めの甘いあまちゃんだからだよ~~!!鵲なしでは大海人はあそこまで上り詰められなかったと思うのに、あんな終わり方…悲しいよーーさくっと退場しちゃったーー
11巻174ページで現代AUぽく?転生して?コマの端っこに出てたの発見したとき本当に嬉しかったなー。あの三人の輪の中にも遠慮せず入って行ったらいいよ。
それにしても11巻最終話「愛情」(いやもうタイトルよ)での中大兄と大海人の𝓛𝓞𝓥𝓔 𝓢𝓞 𝓢𝓦𝓔𝓔𝓣な展開…全私が泣いた。なんですかね、これもう初夜やん。
迎えに来てくれるの待ってたんだね、涙流すほど待ち焦がれてたんだね、良かったね天武天皇…
1週間で駆け抜けるように読んでしまったので、じっくり味わいつつ読んでるとまた考察も深まったのかも。
でもたぶんこの勢いは今しか書けないので浅いところもあるとは思うけど熱いうちに記しておきました。
またふとした時に読み直せるといいなと!