汝、睛眼を点ずべからず
汝、睛眼を点ずべからず 結
藝術大學院に通う苦学生・藤篠は、なけなしの全財産を空き巣に奪われて苦悩していた。苦肉の策で受けた「アルバイト」は、ある外国人墓地の整備と管理を行うというものだった。学生の間で「出る」と、まことしやかに噂されるいわくつきの墓地。
幽霊なんて迷信だ、とは思いつつもいい心持ちはしない。しかし背に腹は替えられぬ。
そう自分に言い聞かせて向かったその外国人墓地で、お約束どおりに出会ってしまった幽霊は、貴臣と名乗った。いわくの元凶であるのに、幽霊であるということを忘れさせてしまうぐらい話術に秀でた貴臣との時間を、やがて藤篠は楽しみにするようになってきて……。
最終話です。
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