公開投稿

2025.04.03 12:30

【試合の感想】球詠第104球 西堀戦

夏大会 第3回戦は西堀高校との対戦です。

やはり試合はダイジェスト形式となりましたが、色々大事な話があったと思われ、

西堀戦振り返りにかこつけて、今回も無根拠に私が感じたことを述べてみたいと思います。



3回戦西堀戦、先発はヨミタマの主人公バッテリー。


スタメンについてはいつもなら読者サービスでチラ見えするスコアボードが、今回は描写なし、で不明でした…


とりあえず打順で分かったのは、

一番 菫

二番 希

三番 光

四番 怜

五番 理沙

まで。


このほか稜ちゃんの打撃の姿と、守備ではタマちゃんのほか息吹が活躍、

そして試合終了時に白菊が外野にいることからおそらく息吹に替えて代打で出場後ライトに入り、

ライトにいた光がレフトに回ったものと推測され、

この試合は1年生以外の上級生陣が全員出場ということになりました。



まず打線で注目されるのはリードオフガールに菫が抜擢されていることでしょう。


秋大会以降の打順を振り返ってみると、このような感じです(「暴挙!」だった春大の村神戦は除きます)。


菫の1番起用は秋大会美学戦以来であり、またその一戦以外にありません。

他の子はかなり打順変動があるのに菫だけはほぼ固定であるのがよくわかります。

美学戦当時芳乃は主に相手の意表を突くことを理由に菫の1番起用を決めていました。


今回の起用について次回以降なにかで言及される可能性はありますが、

当時と状況が変わり、連合戦での菫のバッティングセンスをみて、芳乃が前向きに1番起用を考えた可能性が一番高いのではないかと、私は思量します。


実際に菫は希とともに四球で出塁しており、初回から相手に脅威をあたえる1,2番コンビを形成しつつあります。

従来であれば1番に入った希か怜かが出塁して菫が「送る」という堅実スタイルだったのが、(相手によるとはいえ)強攻で相手を圧倒していく戦術スタイルに変化しているのかもしれません。


昨今、セイバーメトリクスの影響で、「バットに当てられるならバントさせるよりも強打」という意識が野球界に広がりつつありますので、セイバー好きの芳乃がその波に乗っていてもおかしくありません。(もちろんヒッティングが期待できない時はバントさせることでしょうし、連合戦のような陽動のバントはまた別ものです)



またMLBにおいては、1番打者は1番打席が多く回ってくるので、1番優れた打者が座るべきという考えが主流になっています。

今から40年以上前にレジェンド野球漫画「ドカベン」で岩鬼が全く同じことを言ってましたが長い時を経てようやく現実が追いついてきました。

ただMLBの1番最強説には補足があって2番にはゲッツーにならない打撃力または走力を有した打者がいることという条件がつきます。

さらにいえば4番はそれら走者をまとめて返せる得点力があることも望ましく、


そういう意味では、ミート力のある菫が1番、左打者かつ巧打力の最も高い希が二番、最も得点力のある怜が4番という今回の打順は、

MLB(というよりセイバー)的には理想に近いと言えるでしょう。


そういえば、しんこしの希が2番に座ったとたん、リアルのホークスが2番に中村晃を置き始めたのもなにか因縁を感じます(こじつけ)。


とはいえ、打順を組み替えることによる得点への影響はあまりないというのもまたセイバーでの定説であり(結局どっちやねん、という感じはしますが)、

どこまでセイバーを意識した考えを芳乃が持っているのかは未知数ではあります。姫宮戦ではまた2番菫に戻っているのかもしれませんし。


こういう打順論は野球ファンの楽しみのひとつですから、「僕の(私の)考える最強のしんこし打線」をファン同士でわいわい議論するのも面白いですね。

みなさんのお考えになる理想のしんこし打線はいかがでしょうか。



さて、セイバー関連でもうひとつ話題にしたいのは三年生の不調です。

美咲は、三年生たちは打撃結果は芳しくないものの、内容は悪くないからいずれ調子が戻ってくると考え、あくまで今の状況を「下振れ」と表現しています。


ここでいう「下振れ」はおそらくセイバーメトリクスのBABIPを意識していると思われます。


BABIPそのものの話は長くなるので割愛しますが

要するに、「野球の打撃は相手側の守備で結果が変わるので運の要素が大きく絡むよ」という考えのもと、

本人に問題はないのに打率が期待したほど上がらないのは「たまたま相手のところに飛んだりまたは好捕されてるからだよ」というのを「下振れ」と呼んでいて、打数を重ねていくうちに、いずれ、本来の数字まで収束していくという見込み(期待)を含んだ表現になっています。


ちなみに第82球で凡退した瑞帆が「フェアゾーンに飛んだ打球の6割以上はアウトになるんだから」と独白していますがこれもそうですね。

MLBでBABIP値の平均を取ったところおおよそ3割程度になることが分かっているので、逆に言うと平均6割以上の打球は野手に捕られるのが野球というスポーツであることが統計学的には実証されているわけです。

なんとなく、1年生達のほうがこうしたセイバー的な考えをはじめから身に着けてきている感じがしますね。



さて、大事なことは、いつ来るかわからない「いずれ」ではなく目の前の試合です。

高校生の公式戦はノックアウト形式なので負けたら「いずれ」は来ないわけです。


三年生は連合戦で3人ともヒットを打っています。

しかし内容はあまりよくありません。


怜と光は大田さんが相手の間は自分のバッティングが出来てませんでしたし、

理沙に至ってはどのヒットも野手の守備の悪さに助けられており、まともな守備の相手だったならノーヒットのままです。


そして今回の西堀戦の1回の攻撃ではチャンスに三年生はいずれもゴロを打ち、ヒットが出てません。


動きは悪くないのにも関わらず、いまいち乗り切れていないのはやはり最後の夏ということへの緊張があるのでしょうか。

抽選会のときも怜はプレッシャーを感じてましたし、理沙や光もそれに引っ張られている可能性は高いです。


打球がゴロになるのには色々原因がありますが、

要するにバットの下っ面にボールが当たるので打球が地面に向かうわけです。

予想より投球の球筋が伸びて来ないのか、

もしくは遠くに飛ばしたい気合いが空回りしている

といったところが考えられます。



埼玉県の夏大会はシード校が他のシード校と当たるのは5回戦以降です。

こういう言い方は良くないのですが、ここまでが前哨戦で、

シード校もしくはそれを破って上がってくる高校と戦う5回戦からが本番と言えなくもありません。

実際、稜ちゃんも今回「言っちゃ悪いが」と前置きしたうえで

さんざん練習試合してきた相手よりもずいぶん格下の相手とやってるので調子が狂っているかもという主旨の発言をしています。


連合の大田さんに苦戦したのも、予想よりだいぶ投球が緩く、慣れない軌道だったのが理由のひとつでしたね。



次の4回戦姫宮戦はこの格下戦からシード校戦に至る間の「境目」にあたります。

さらに姫宮にとってはしんこし戦はリベンジマッチであり、やる気十分で臨む姫宮の実力の底上げが見込まれます。


芳乃も「格下と当たって勝ててるのは運がいい。ただ次の相手は…」と、今の姫宮を格下とは思ってない様子。

もしかすると、ここで実力の拮抗した試合になれば、三年生らの下振れも収束する可能性があります。

怜がもにょもにょっとしなければ…

理沙が怜の様子を気にしなければ…

光が普段の自分のピッチングをすれば…


条件多いな?


でも、ちょうどいいタイミングでちょうどいいレベルの相手と真剣勝負できると言えるのではないでしょうか。


ただ当て馬的な扱いをすんなりさせるプクイチ先生とも思えません。

三年生があたふたしている間にぽろっと手から勝利がこぼれおち…なんて展開も十分ありえなくもないです。


あと、これは私の勝手な推測なのですが

姫宮の次に当たるのがCシードの咲桜である可能性があります。

埼玉県夏大会のCシードは4枠あって、うち美学側の山の2つは熊実と翔栄で埋まってました。

このことから新越谷側の山のCシードに咲桜がいるのは確定していますので

1/2の確率で姫宮戦の次の相手は咲桜ということになります。

咲桜でなかった場合でも残る1枠のCシードは椿峰あたりの可能性が高く、いずれにせよ仮に姫宮に勝てたとしても、次から対戦相手のレベルがいきなり数段あがるのは確実です。


ここで「全部収束できれば」というかむしろしてくれないとかなりまずい事態になりますね。

三年生スタメン落ちの可能性もゼロではないかも?(それはないか…)


ミーティングの場で「ですよね主将」と芳乃に話題を振られキョドる怜、

ここで息吹がいまいちといった顔で首を振っているのがかなり気になります。

息吹は暗躍するのが得意もとい陰で支えるタイプですから、姫宮戦でなにか調子の乗らない怜や先輩たちにアプローチがあるのかもしれません。色仕掛けかな?(コラ)


いっぽうで救いは二年生たちにはそこまでのプレッシャーがなく、

唯一あやうくプレッシャーに飲まれそうだったヨミが早々に脱却できたことです。

第103球で芳乃に「漠然とした不安感をビシっと吹き飛ばしてね」と言われてましたが

きっとおそらく吹き飛ばしてくれたことでしょうたぶん。


三年生もひとり相撲してないで後輩たちと楽しく野球をやってほしいですね。

楽しく野球をやるのが新生しんこし野球の原点だと思いますので。

いっそ怜が一発ギャグでもかませばもっと和んだ雰囲気に(なりません)


あるいは三年生たちも一年生みたいに「今うまくいかないのは下振れなだけ」「バットに当ててもその中でヒットになる確率は3割」などと割り切る考え方ができるといいんですけどね。

後輩たちは気を使って言えてませんが。

やはり一年生と三年生とで野球への考え方が違うというのが意外と結構大きいのかな?



さてさて姫宮戦はスタメン、打順ふくめてどうなりますか。

相手の先発投手も気になります。

怜たちがいよいよ目覚めるのか。絶望するのか。

楽しみですね。