マルガモのマル
マルガモのマル 第6話/全7話 パパのいる場所
ボクの名前はマル。ほかのカモからはマルガモって言われている。でもマルガモって、どういう意味だろう? そして、ボクのパパはどこにいるんだろう? ママにきいてもこたえてくれない。だから、友だちのキュラムと、おじさんガモのハイブさん、そして、シベリヤから渡ってきたミラといっしょに、パパをさがすことにしたんだ。
だけど、来る日も来る日も空振りばかり。ミラのママにいたっては、ボクをきらって、ミラを近づかせたくないみたい。トモエガモのフォルさんは、ボクをハイブさんに似ているって言っていたけど……たしか、ハイブさんも同じようなことを言っていた気がする。
いっしょにパパをさがしたり、キュラムたちからちゃかされたりしている内に、ボクはミラのことが好きになり、勇気を出して告白した。オモダカの花も渡して。でもフられちゃった。しかもそれを、ハイブさんに見られちゃったんだ……。
気まずくなってからもパパさがしは続いた。でも、オナガガモのピンタさんが教えてくれた。マルガモは、カルガモのママとマガモのパパがけっこんして、産まれた子だってことを。ミラがフったのも、それが理由でミラのママがけっこんをゆるしてくれないから。
だけど、なぜかミラのママは、ボクがミラにオモダカを渡したことを知っていた。ハイブさんが告げ口していたんだ。ハイブさんもパパとママがちがう種族のカモで、ひどい目目にあったから、生きるために他のカモのめいれいを聞いていたんだって。でもそれでボクをひどい目にあわせるのは、ちがうよね?
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