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かつてカルデアに一人の男がいた。弱気で、悲観主義で、根性なしで、そのクセ根っからの善人みたいなチキン。ただの人間になりたいと願い、けれども垣間見た終焉を阻止するため走り続けた。ドクター、あなたの十年は一体どんなものだったのだろうか。刹那見た終焉に追われ、誰にも打ち明けられずに一人で戦い続け、それでも。きっとそれは─── さよなら、ドクター・ロマンティック。