公開投稿

2025.09.12 22:50

2025.09.11.



 昨日の話になるが、映画を見てきた。多分、映画館に赴いたのは9年振りになる。人に誘われたりしない限り行かない場所だ。予告を見ている時点でもうぐわんぐわんしていた。画面が大きい。音が響く。一列が12席のミニシアターのようなところ。


 見てきたのはタローマンである。内容は一言で説明しがたいが、でたらめでべらぼうな話だ。岡本太郎リスペクトの、1970年に作られた特撮というていなので全体に昭和レトロの空気が流れている。TVシリーズとは違ってCBG(地球防衛軍)が活躍している! すごいぞ! TV版を見てこないと分からない奇獣達やキャラクターばかりなので、ちらっとでも見ておいた方が楽しめるだろう。


 宇宙万博が行なわれる未来の2025年からやってきた堅物エリートのエラン(劇場版初登場)に、タイムトラベルで未来に連れて行ったタローマンのでたらめ成分が脳に入ってしまって……というのが大きなポイントになっている。エラン役の方はタローマンの中の人でもあると知るとまた面白く見られそうだった。冒頭辺り、エランと風来坊(劇場版だからか大活躍している)の殺陣しながら会話するシーンからもう、TV版とは違うぞ! という空気を感じた。この二人が夜中にメンテされながら会話する(脳と目、歯くらいしかない。エランに至っては肉体らしい箇所が脳しかない)シーン、何だか妙にむき出しさを感じてどこかエロティックでもある。  真面目になったタローマンと、エランの娘(でたらめ寄り)の交流も可愛らしい。可愛らしいといえば奇獣の子供ノンがCBGに所属しているところもそう。1970年に残されCBGを任された珍助が成長し、未来でも戦い続けているところはぐっとくる。隻眼になり、預けられた隊長バッジもボロボロになりながら戦っているのにかつての隊長は未来で……というのも切ない。のだが、感情の細やかな機微などは受け取り手に任せてズバーン! の映画だ。骨格はしっかりしているがその辺りは全部任されている感じがある。  やっと終盤でタローマンが戦うが、映画の上下にある黒帯(レターボックスという名前らしい)を引っ剥がして振り回しているのがでたらめで良い。スタッフロールの文字にも被って邪魔をする。すごい! 邪魔! 良い!


 見終わってひとりで考えたくなり、いつもと違ったちゃんとしたお店でお昼を食べた。誰かと見に行っても良いけれど、ひとりでこういう時間を過ごすのも良い。