毒を盛られたジェイドの話+おまけあり

※pixivにも同じ作品があります。

以下、支部のキャプションから引用


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【とあるポムフィオーレ寮生の独りよがりな告白】

僕はヴィル様に憧れて、NRCに入る前から掲載されている雑誌や書籍は余すことなく収集していたし、勿論テレビ番組だって全て録画していた。ファッションショーも外部イベントもチケット争奪戦に打ち勝って閲覧するほど、僕はヴィル様のことを崇めているんだ。

NRCから入学許可書が届いた時は飛び上がるほど嬉しかったよ。学年は違えど神様と同じ空気を吸える。信者としてこれ以上ない至福。

でも、祝福はそれで終わりじゃなかった。なんと!闇の鏡が僕のことをポムフィオーレ寮に振り分けたんだ!ヴィル・シェーンハイトが寮長を務めるポムフィオーレ寮に!!

ここが極楽浄土かと思うくらいに滂沱の涙を当時は流したね。

でも僕は自惚れではないから副寮長の座を奪えるとは露ほども思っていなかった。ハント副寮長をヴィル様は信頼しているようだし、何よりハント先輩の献身力は凄まじい。だたの一ファンが成り代われるものじゃない。ポムフィオーレ寮に所属しているだけで十二分に贅沢なのだからそれで構わなかった。

……同じ一年生なのに寮長・副寮長に目をかけられているエペルのことも気に入らなかったけど、裏を返せば僕も目をかけてもらえるチャンスがあるということ。だから嫉妬を自分磨きに昇華させることで気を反らしたんだ。

でも、あのヤクザ寮の副寮長となると話は別だ。

寮長間でスーパー秘書ともてはやされて天狗になっているのか知らないが、よりにもよってヴィル様の付き人なんて気が狂いそうだった。

ヴィル様も満足気にあの高貴な微笑みを無防備に分け与えていたし。

だから、これは報復なんだ。

僕のユニーク魔法『性質反転(アンチリバース)』は名前の通り、性質を反転させる。穏やかな性格なら手の付けられない凶暴な性格に。冷たいものを熱いものに。

……無毒なものを有毒に。

かける対象はなんだって良かったけど、食べ物よりは飲み物のほうが気付かれにくいだろうという策略の元、隙を見て魔法をかけたんだ。疑いなく口に含んでくれて嬉しかったよ。

反省や後悔?

するわけないだろう。ここはNRC。治安の良さはご存知の通りさ。

まぁ、ユニーク魔法を伏せているから僕だってバレるわけ―――


***


できた……(屍)

難産だったし久しぶりに一万字超小説書いた……。

毒をベースにすると決めた時にスカラビアコンビは絶対に出そうと決めてたんですが、思ったより動かすのムズかったです……。

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