この町は、きょうもあなたがいるから廻っている。
第三話「人妻と風に吹かれて、風速一メートル」
山椒魚町河童四丁目三番地にある激安長屋に引っ越してきた大学生・湖径<こみち>。
この町……とくに彼が住む長屋には、個性豊かな住民が多い。
しかし、普通ってなんだろう、常識ってなんだろう。
髪が真っ赤で、いつも馬鹿でかい声で唄う悠希さん。
彼女が普通じゃないと言ったら、湖径は普通だと言えるのか。
彼女には湖径が知らない一面があった。
かのボブ・ディランは唄った『答えは風の中で吹かれている』と。
その答えを知った時が人生のエンディングソングなのかも。
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