白い花がたわわに咲こぼれ、風にひらひらと光りながら舞い落ちていく。あまりに幻想的な光景に私は後ろを振り返り、同じように上を見上げ、微笑みながら歩く彼女を呼んだ。
『サマンサ……』
若年性健忘症を患っている俺はiPS細胞の定期的な移植手術を受けながら看護AIマリアと暮らしていた。
そんな俺は記憶に無い、誰かの思い出のような過去を思い出すようになり……。
読み切り・短編作品です。
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SF読み切り短編