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2025.11.27 20:52

「魅惑的な腐臭をともなう」2025/11/27(木)の雑記

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 朝、湯冷めしながら洗濯物をベランダに干した。蒸気が肌の上で冷たくなって離れていくのが気持ちよくて、朝風呂に入った後はすぐに外気を浴びたくなる。自然に、容赦なく離れていくことに安心する。私の意思が絶対に混ざらないもののことを美しく思う。まだ空も地面もその間も薄暗くて、カラカラの田園がぼんやりと見えた。さむっ、と言いながらベランダに居座る自分はかわいい。かわいいとされるものは定義となってカルチャーに染み込んでいく。SNSで見かける自撮りツイートに「好き?」というテキストが添えられているものに心底恐怖している。「好き」と「かわいい」がお互いに必要な要素っぽくなっているのも怖い。最近は「好き」を「好ましい」に言い換えることでなんとかやり過ごしている瞬間がたくさんあるなー。


 鬼柚子の香りが強くなってきた。布団のそばに置いているので、鬼柚子の香りの強さで1日が進んでいることがわかる。柚子時計。柚子暦。さわってみると、あんなにガッチゴチだった表皮は指先がほのかに沈むほど柔らかくなっていた。果物の腐りかたは魅惑的だなーと思いながら、しばらく両手で抱えていた。ごわごわとした鬼柚子が少しずつしっとりと手に馴染んで、手に香りが移る。鬼柚子には自分の香りが残らない。


 なんだか調子が出ないかも、と頭痛ーるをひらく。赤い警戒マークが出てきて、やっぱりかーと思って布団に入った。布団の中でデュオリンゴのチェスをやろうかと思ったが、それもなんだか無理で、だんだん不安になってくる。自分の自信は根拠がないもので、根拠を作るために物を作っている最中なので気分が落ち込むような時間にはものすごく精神が不安定になってしまう。低気圧のときの対処法として漢方を勧めている記事を読んだのを思い出して、次の通院日に相談するかー、と思いながら眠る。警戒マークの時間を過ぎたら完全に元気ということになった。


 

 支援プランに有料プランを追加した。途中経過、メイキング、コンテンツの先行公開などを行おうと思っている。また、待ち受けにも使用できるカレンダーイラストのデータを毎月必ず配布するつもりだ。まず最初はZINE『脳本』の製作過程を公開しようと考えている。制作中のメモや、紙選び、インク選びの過程や意図、全体の構成の変遷などを書けたらいいな。製作過程と裏話、作品に付随するエピソードを1、2回に分けて公開しようと記事を作成しているのでもし興味がある方は、よければ!