聖域
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幼き王子と主人公
穢れを知らず、理想と幻想を信じていられる無垢な彼ら。
彼らの空間へは、妖精のガリカによって導かれる。導きのないものは辿り着く事すら叶わない。
そう語るのは、神々しさを纏ったブロンドヘアーの風変わりなクレマール族の少年。
私は幻想など捨てたはず。
その私がまだ希望を捨てきれていないのは、彼らの純粋で無垢な笑顔があるからだ。
あの笑顔から希望を見出せない者などいない。
潰えるのは、彼らの笑顔が失せた時。
そうならないように、あの二人の空間だけは護らなければなるまい。
私とーーー不本意だが、あの赤髪のルサント族で此処を死守することを誓った。あの女もなかなか見所があってな…。
ところで貴様は何の用件で我らの前に立っている?しょたこん…何を訳のわからないこと言っている?幻想小説にも出てきていないな。
はあ、ルイもかわいいね…だと!?貴様の脳はどうなっている?パリパスだからと大目にみるとでも?
ヒュルケンベルグもかわいい…か、彼女はまだ私と同じ子供だが何処を見ている?一度本人の拳を受けてから同じことが言えるか見ものだな。やれ。