2024年9月8日に文学フリマ大阪で刊行予定の新刊『悠久のまぎわに渡り』の試し読みです。
プロローグと1章を読めます。
翼のない二本足が滅びに瀕し、鳥や生き物たちが絶滅から遠ざかった未来。
電柱で生まれたコウノトリ一族の「わたし」は、旅に出る。オスと出会い、卵を生むことになれば多くの場合旅は終わる、と父母は言う。
湖に通うオオワシの媼、二羽のメスで子育てをするライチョウ、直立不動の同族を慕う海の鳥、――。
翼のない二本足が滅びから遠ざけようとした鳥たちの旅の物語。
1994