公開投稿
2025.03.06 11:54
遊子の葉くんにまつわることについて
遊子の葉くんは遊び人、すけこまし、性にだらしないという面を強く押し出したいキャラクターでした。その彼の思いの反対側には親からの愛情、他者からの愛情を欲しているのが理由です。
だからこそごっこ遊びを常にしており、一瞬でもいいから自分を愛してくれるものを探していたのでした。彼が言う「置いていくのか」というのは本心からの言葉です。やってることは最低ですが。また彼は容姿端麗で金髪にキトゥンブルーの瞳をもっており、その容姿ゆえに男女ともに困ることはありませんでした。
それでも食物たちに改造を施し性行為に及んだのは人間というものを信じられなくなっていたからかもしれません。この辺りは竜胆と同じですね。
遊子の葉と竜胆は自分たちの容姿に良くも悪くも期待せず興味がない烏頭に惹かれたのです。
遊子の葉は初対面時、烏頭が自分の容姿を見ても何の反応を示さなかったことに驚きそして琥珀色の瞳に吸い込まれるような気持でした。友人になりたいと思ったのも本当でしたし、一目ぼれしたのも本当でした。本当の意味での一目ぼれは髪の色を褒められた時だったのですが、それまで誰に言われても何とも思わなかった自分がたった一言「きれいだな」と言われただけで惚れてしまったことに彼自身も驚いたことでしょう。
あの雨の日、烏頭の手を取り逃げ出した所で彼らに埋め込まれたチップのせいですぐに捕まり今回よりもひどい目に合ったことでしょう。それこそ殺されるほどの。
烏頭にそこまでの価値があるのかと言われると烏頭自身は「ない」と答えるでしょうが、久世の子として食事をブドウしか摂れず、ブドウの味に作り変えられてしまった烏頭は価値があるのでしょう。作中でも書きましたが、久世からの執着は強く、それは自身がこの小さな子どもを守らなければいけないと胸に刻んでいるからです。
遊子の葉はあのあと自身の婚約者とそれなりに幸せな家庭を作りますし、婚約者は遊子の葉が自身に誰かを重ねていることを承知で結婚をしました。
子どもをもうけますがその姿は遊子の葉自身にそっくりでああ、せめて烏頭にそっくりの子どもが生まれてくれていたらと後悔することにもなります。しかし実際は修羅の道(男の子で烏頭そっくりの場合)歩むことになってしまうので人知れず烏頭そっくりの男の子は他国へ養子に出されているのでした。
遊子の葉はあの日の口づけの感触を、烏頭と遊んだ日々を忘れることなくずっと生きていきます。そして死の間際、烏頭の幻覚を見てきっと「待ってたよ」と呟き、微笑み幸せな気持ちで死ぬことになります。
これからもそんな遊子の葉くんをよろしくね!