公開投稿
2019.08.09 00:07
映画感想文:超実写版ライオンキング
50
2019/8/9
超実写ライオンキングバレあり感想。
サラビを巡って確執を深めた王家兄弟とかスカーへの新たな属性付与をありがとうディズニー。
突っ込みどころもあるけどとにかく動物好きに見てほしい映画館で観るサファリパークだった
冒頭から本当にあのアニメのオープニングシーンをガッツリ再現しててなんかもうそれだけで感極まってしまったけど、完全再現だけでなく動物たちの動き・仕草において人間臭すぎる(関節可動域的にやらない)動きをさせてないの好き~~~~~!!
オープニングでのラフィキとムファサのハグが違う動きになってた辺りで確信したけど、本当にリアル動物に近い動きで物語が展開していくのそれだけでも見応え…!
ムファサとスカーの関係も過去にサラビを巡って争ったらしき事が示唆され、
今作ではおそらくその戦いでムファサがスカーに傷をつけたと思しきあたりも高ポイント
(それにしてもスカーの傷の由来はメディアによってころころ変わるな)
パンフには「力では兄に敵わない→そもそもその理由は弟ゆえに栄養を優先して与えられなかったせいもあるのでは」的なスカーの人格形成にあたっての家庭の問題部分もほんのり触れられててとてもいいですね。
アニメではザズから「敷物にしてやれ」的な軽口があったと思うけどそういや今回あったかな?
今作、おおまかにはしっかり原作をなぞってるのだけど、ちょいちょい台詞回しにおいてアップデートがあるというか、
動物名そのものを侮蔑の対象にするセリフが減ったり、ライオンとハイエナに明確な身分差を思わせる雰囲気が無かったり(あくまで別エリアの別のグループという矜持がハイエナ側・特にシェンジにあったように思える)
そういうものの一環で「毛皮にしろ」なんてセリフが消えたかもしれないなとちょっと思ったり。
この辺、「ズートピア後のディズニーだなあ」とも思う一方、
終盤スカーがハイエナを罵るセリフに「スカベンジャー」と入ってたのが聞こえたのがほんのり気になったりしたものの、
「腐肉食動物」を罵る語彙に入れるのはアウトかセーフか…いや、そこは「俺たちが狩ったものに集るやつら」的な意味合いでの罵りで生態そのものを侮辱してるわけではないか…ならアリかな…と自分の中でぐるぐるしただけでまあまあ気が済んだ。
そしてそもそもブチハイエナに至っては自分たちで結構狩りしてるしそれの上前はねに来るライオンこそがスカベンジャー…(作中の描写においても実際においても)
あと子シンバと子ナラが「あんたと結婚するよりツチブタの方がまし」「ツチブタの方が断るだろ」みたいな言い合いしててこら~~~~キッズの会話~~~~!!!!ってなりました。
作中のツチブタかわいいから見て。
大まかにアニメの再現ちゃんとできてるといっても、リアリティの強いこの映画において
「早く王様になりたい」と「覚悟しろ(だったか忘れた邦題。Be Prepared。)」のシーンは
元映像がアニメ的な表現てんこもりシーンなわけで、そこは全く違う表現の映像になってますね。
また「覚悟しろ」においては曲調の変更も入って更に受けるイメージは別物になったり。
とは言え、子シンバ達が命に溢れた大地を駆け回るシーンは最高オブ最高に気持ちいいし
あと、アニメ版と違ってこの映画「(ライオン以外の)動物の子供」が多い!
巡る命育まれる命はライオンだけじゃない…それを子供たちのはしゃぎまわる映像で見せてくれる…最高…
一方スカー側はまず歌の歌詞も違うのが(先述した台詞回しの違いにも関わるのだろうけど)驚きのポイントで
この歌アニメ版だととにかく冒頭からハイエナをdisりまくった歌なんだけどそこに焦点を当てず
ムファサを打ち倒すのにハイエナを引き込む(この映画、スカーが最初からハイエナと組んでないのにも驚いた)歌なんですよね。
そりゃdisから入ってもなあ…というのと同時に、元の作品はハイエナのイメージダウンに拍車をかけた面も否めないのでこれが今のディズニーの姿勢なのだなあと納得できるとこがあったり。
元歌と比べて静かに展開する歌なので若干の物足りなさも感じていたものの、最後の最後にあの
月を背後にした「Be prepared !!!」が来るの不意打ちだし最高だし
超実写には超実写の魅せ方があるのを再確認できたシーンでもありました。
ハイエナのイメージといえば、今回リーダー格のシェンジがボンクラ悪役3匹組の代表、というより
群れの女王といった風格も出るほどのカッコよさで、ハイエナの生態に近い描写になってたの好きですねえええ!!
オス2匹は若干ボンクラのパートも受け持ってましたが、シェンジの態度にライオンに対する卑屈さや
下手に出たりおべっかを使ったりするような様子がなく、アニメ版にあったあからさまな上下関係になっていなかったのも良い描写でした。
部下たちはアホの子もいるし、品の良しあしでいえばお上品な連中ではないけども
ハイエナはライオンの付属品や、シャドウランドに追いやられた下賤の輩ではない、という確固とした生き物の矜持を感じる…
あくまでプライドランドの掟的に割を食っていてライオンとは敵対、ぐらいの間柄なのかな。
スカーが現れた時にも必要以上にライオンだからと怯えてはいない様子だったしな。
また、最後の戦いの辺りでナラと対決シーンが少しピックアップされたのも新しい視点で目から鱗。
そうだな~~ナラからしたら子ども時代に自分たちの国を侵略したグループの(実働隊の)ボスだし
シェンジから見たら何もできない子ライオン時代を知ってる唯一のライオネスなんだな~~~
月日は巡り因縁の対決…村を焼かれた子供が力をつけて仇を殺しに来るやつオタクが好きなやつやん…!
とは言えシェンジは討たれて死ぬ系のボスではなくスカーの最期を彩るキャラなのでナラに討たれては困るのですが。
オタクが好きなやつ、スカー→シンバでもおなじみの「かつて自分が放った言葉に報復される」もあるんですが
今作、シンバ相手だけじゃなくハイエナに放った言葉もスカーに返ってきてて
知恵を絞って言葉巧みに騙した相手たちに言葉で絶望を一度ならず与えられるの最高やな…とオタク大歓喜でした。
いや、リアル系映像だからスカーの捕食シーンもっとぼかされるかと思ったんですよ…
そしたら「これ絶対報復で”やっつけた”」じゃないよね!?絶対「食った」だよね!!??
としか言いようがないセリフの流れになって「脚本書いた人ありがとう~~~~!!!!」ってなりましたよ
ぼかぁね、スカーが喰われるシーンで興奮するホモサピなんですよ!全国のこの手の業深人間見て!!!
平和な話も書こう。大変リアルな描写で描かれる動物物語だけど、
やっぱりティモプン辺りはちょっと特異な動きになってますね。関節可動域的にはそんな無理してないんだけど
プンバァが犬そのものな動きしたりとかほんのり動きのギャグが混ざる感じ。
また、ハクナマタタな食虫仲間がめっちゃ増えててかわいい~~~~!!!
わかる範囲でオオミミギツネ、ガラゴ、ハネジネズミ(かな?)、ホロホロチョウもいたかなー
あれ、お前草食じゃないの?って感じのウシ科っぽい生き物いたけどそこまで判定能力と知識無いから
学びたいので詳しい人どんどんLK見てほしい…描写が間違ってても合っててもどんどん声を上げて盛り上がってほしい…
あ、ところでプンバァの過去話でめっちゃくちゃかわいいウリ坊出てきたんですけど
「イボイノシシの子ってウリ坊模様になるっけ???(しかしかわいいな!!)」と思いながら
帰宅後検索したらイボイノシシやっぱりウリ坊じゃないじゃないですかーーー!
過去回想映像なのでわざとかわいいビジュアルにしてるギャグなのか本当に制作側がイノシシと間違えてるのか気になる!
でもあんなにリアル追求した映像作っといてそこでそんなポカする…?するかもなあ…人間だもの。
そうそうティモプンの見せ場(だと私が思ってる)ハイエナへのおとり作戦、
あのハワイアン腰みのアロハパフォーマンスどうすんのかと思ってたら
ビーアワゲスト(美女と野獣)で攻めてきた!!身内ネタ使ってのパロディ!これはセーフですね!!w
なんかこうもっと、もっと語りたい部分あるんだけど
これとりあえずもう1回ぐらい劇場で観てきた方がいいかな!
画面の端々までいる動物たちをもっと見たい…目が足りない…
書く時間長すぎてこれ入れ忘れてた。
今作、ムファサがスカーの顔に傷をつけた設定のようなのだけど、そこへ更にスカーがムファサを突き落とす際、
目元に追い打ちをかけたの抑えきれなかった激情感があって最高でした