第1話「盗人」
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西暦190年代、戦乱絶えない古代中国。
月静(げっせい)は戦場の兵士や、文字の読み書きが出来ない人々からの伝言を届ける「伝言屋」を営んでいる。
彼の能力は「死者の記憶を読み取り、それを全て記憶する」もので、彼の届ける伝言は全て「死者から生者への最期の言葉」であった。
が、生きている人間の顔は一切記憶できない為、月静は先々でトラブルに巻き込まれる。
そんな彼と不思議な縁で共に旅をする事になった少女・天花(てんか)。
彼女は生きているにも関わらず、月静がその顔を唯一記憶できた人間だった。
戦場で命を落とした「死者からの思い」を残された生者に伝える為に、伝言屋を営みながら2人は今日も戦場を巡る。