エリコの方舟〈小説〉
【狂っているのは、お前たちだ――】 少年は絶海の孤島で、本当の自分に出会う。
西暦2092年、環境汚染により緩慢な滅亡に向かう世界で、「異常才覚者矯正法」が施行される。高度な才能と人格の問題を同時に抱えた少年少女を矯正する法に基づき、少年エリコ・シュレーディンガーは南太平洋の隔離施設島に収容された。
矯正するプログラムを受ける日々を送るエリコと少年少女たち。担当教官リネット・アンドルー少尉は、エリコの反抗的なリポート、言動に頭を悩ませた。指導室に呼び出されたエリコはリネットに、この島は近いうち、大津波に飲み込まれると警告するものの、取り合わないリネット。そんなある日リネットに対して、エリコの身柄を引き渡すよう命令がくだる。その直後リネットの通信端末に届いたのは、エリコからの短いメッセージだった。
矯正するプログラムを受ける日々を送るエリコと少年少女たち。担当教官リネット・アンドルー少尉は、エリコの反抗的なリポート、言動に頭を悩ませた。指導室に呼び出されたエリコはリネットに、この島は近いうち、大津波に飲み込まれると警告するものの、取り合わないリネット。そんなある日リネットに対して、エリコの身柄を引き渡すよう命令がくだる。その直後リネットの通信端末に届いたのは、エリコからの短いメッセージだった。
