卓の立ち絵
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春に芽吹く種のように、君は目を醒ました。
君の世界は、この中庭と家と、君自身。それで記憶は途切れている。
記憶喪失の探索者と、上階に住んでいる相手役。
二人はともに中庭に降り積もる季節を眺め、意識を遡っていく。