5. 美

巡礼の最後に待ち受けていた者は、自らは鏡であるのだと称しました。自分が最も美しいと感じるものがそこにあり、それは愛する母の姿をしていました。美しさが正しさであったのなら、正しさが美しさになることもまたあるのだろうと、私はそのように解釈しました。ある日鏡をのぞき込むと、そこには事の顛末が映し出されました。それは自分の首を棄てる母の姿の、最期の姿でした。

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