千の手
0
164
----全てはあなたを、安らかな終わりへと導くため。
『死の神』ジュリエッタ
「終わりなき死」の象徴。全ての生命を死に導く邪神。
「死」そのものが恐ろしいのではない。それが甘く優しすぎるが故に、恐ろしいのだ。
動物でも植物でも、生きとし生ける全ての生命は彼女に逆らうことができず、その魂を彼女に預ける。
だが、彼女は単なる「死」ではなく、存在ごと「終わり」へと導く。
彼女に殺されたものは、まるで最初からいなかったかのように「存在」ごと消えてしまうのだ。
消えた誰かのことは、彼女だけが覚えている。それこそが本物の救いであると、彼女は考えている。