龍巫女の願掛け
龍巫女の七星ちゃんです、浴衣着せました
「この星の最期まで皆と平穏に過ごせますように」
短冊の付いた笹がさらさらとなびく。あたしは自分の短冊も付けようと手を伸ばして、指の隙間から葉がすり抜けた。
そっか、自分の短冊を付けるって今まで無かったな…
儀式の一旦として見ていた自分の役目。観測者としてこの星が尽きるまで、淡々と願いを奉納していた年月にほんのり色が付いた気がした。
せめて、あの娘たちが笑顔で此処から出ていけるように…
「七星はどんなお願い事したの??」
「ぎゃあっ!??」
後ろからの急な気配に反射で振り向く。
「ごめん、驚かせるつもりはなかったんだけど」
紫鬼がはにかんだように、僅かに肩をすくませた。そしてすかさずチラッとあたしの手元を見る。
アンタにだけは絶対に見せるもんか…!!